フィリピン南部ミンダナオ島の都市マラウィのミンダナオ州立大学で3日、爆発があり、4人が死亡、約50人が負傷した。同大の体育館では当時、カトリックのミサが行われており、爆破はミサの最中に起こった。
オンラインで過激派の活動を監視している米民間団体「SITEインテリジェンス・グループ」(英語)によると、過激派組織「イスラム国」(IS)が、「マラウィのキリスト教徒の不信仰者たち」に対する攻撃だとして、犯行声明を出した。
フィリピンのフェルディナンド・マルコス大統領は、「無意味で最も凶悪な」攻撃だと非難。爆発があった地域の治安を強化すると約束した。
爆発があった3日は、クリスマスを準備するキリスト教の期間「待降節(アドベント)」の初日となる日曜日だった。
爆発には、手りゅう弾や即席爆弾が使われたとみられている。
英公共放送BBC(英語)によると、人口の約8割をカトリック信徒が占めるフィリピンでは、特に教会がない地域では、学校の体育館やショッピングモールが、日曜日のミサの会場となることは珍しくないという。
一方、マラウィはイスラム教徒が多数派を占める都市で、ISによる攻撃は今回が初めてではない。2017年には、IS系武装勢力と政府軍がマラウィの支配権をめぐって争い、5カ月間に及ぶ戦闘で計35万人以上の住民が避難を余儀なくされた。