【CJC=東京】カトリック教会枢機卿会議議長のアンジェロ・ソダノ氏は2月25日、教会においては兄弟愛から出た批判は可能だが、具体的でない酷いものは何の役にも立たない、とバチカン放送で語った。チュービンゲン大学教授のハンス・キュンク神父が行ったインタビューを仏伊のメディアが報じたことに言及したもの。
キュンク神父は聖座(教皇庁)によって1979年、その授業内容がカトリック信仰と相容れないとして、カトリック神学の授業を差し止められた。今回、ルフェーブル派『聖ピオ十世会』の会員4人の破門を教皇ベネディクト十六世が解除するとの決定を批判したことにソダノ枢機卿が反論したもの。
キュンク神父は、聖職独身制や人工妊娠中絶などに関する教義や制裁をも非難している。これらの教義は教会を「少数派」の地位に置くことになる、と言う。
しかしソダノ枢機卿は、ルフェーブル派破門の解消に関して教皇は「神の聖なる教会を統治するため聖霊によってその座に置かれたものとして、歴史のこの重要な時に、一致に向かって大変な努力をされている」と言う。
同枢機卿は、キュンク神父のインタビューを読んで「困惑」した、と言う。「兄弟愛から出た批判は、聖ペテロ、聖パウロの時以来、教会では常になされるべきものだ。他方、酷い批判は、さらにそれが具体的でないなら教会のためにならない」と枢機卿は断言する。
枢機卿はさらに「教皇の働きについて詳細を報じて来たイタリア紙が、キュンク神父のインタビューに力をいれるのか理解できない」と感想を述べている。