イスラム教の聖典コーランを批判する約15分間の映画「フィトナ」を自主制作したオランダの極右政党「自由党」のヘールト・ウィルダース党首が、米議員を対象としたワシントンでの同映画の上映会に招待され、2月26日には米国に到着していたことがわかった。米CNNが同27日に伝えた。
映画では、コーランから引用した言葉を01年の米同時多発テロやマドリードの列車爆破テロなどの映像と重ね、イスラム化の防止を呼びかけている。
昨年3月27日に英国のインターネットサイト「ライブリーク」上に公開されたが、同29日には身の危険を感じる脅迫を受けたとしてサイト側が公開を中止。パキスタンのカラチでは、オランダとの断交を求めるデモまで起こった。
オランダでは、キリスト教徒が人口の約半数を占めるが、一方でイスラム系移民が年々増加。オランダ第2の都市ロッテルダムでは今年1月、新市長にモロッコ出身のイスラム教徒が就任している。米国の同時多発テロ以降は現地住民のイスラム系住民に対する反感が強まっている。
ウィルダース氏は2月中旬にも、英上院議員から上映会に招待されて英国に向かったが、英内務省は入国を拒否していた。