ネパール西部で3日深夜に発生した大規模な地震により、150人余りが死亡し、少なくとも20教会が倒壊したとキリスト教団体が明らかにした。
地震は、現地時間3日午後11時47分(日本時間4日午前3時2分)ごろに発生。地震の規模は、ネパール当局の推定でマグニチュード(M)6・4とされ、米地質調査所はM5・6としている。首都カトマンズから西に約480キロメートル離れたジャジャルコット郡と西ルクム郡を中心に被害をもたらした。報道によると、隣国インドの首都デリーを含む遠隔の都市でも揺れを感じたという。
米国に拠点を置くキリスト教国際宣教団体「ゴスペル・フォー・アジア」(GFA)と、英国に拠点を置くキリスト教国際支援団体「バーナバスエイド」は、この地震により教会も大きな被害を受けたと報告している。
GFAは発表(英語)で、現地で協力する幾つかの教会が倒壊したとし、一つの村では教会員3人が死亡したと報告した。
GFAは救援活動のために現地教会のメンバーらを動員し、被災した数千人の人々に食料や毛布、テントなどの必需品を提供している。
被災した村の多くは人里離れた場所にあり、一般車両ではアクセスできないため、教会関係者はバイクを利用してこれらの村を訪れ、支援を行っている。GFAの推定によると、一部の地域では、泥とれんがでできた簡素な家屋の90パーセントが倒壊したという。
バーナバスエイドは、被災地支援の呼びかけ文(英語)で、現地にいる協力者の推定として、地震により家屋1万8千棟余りが被害を受け、少なくとも20教会が倒壊したとしている。
ネパール西部で活動するバーナバスエイドのプロジェクトパートナーであるタンカさんは、深刻な食料不足と危機的な生活状況が家屋の喪失に続いて生じているとし、人々はいてつくような気温にさらされていると話す。また、ジュダと名乗る現地の牧師は、娘1人と孫4人を地震で失った。
政府の救援活動は教会の再建には及んでおらず、現地のキリスト教コミュニティーは緊急に外部の支援を必要としている。バーナバスエイドの職員であるマホンさんは、この危機的状況の中で国際機関から援助を受ける人々の感謝の気持ちを伝えている。
ネパールは2015年、壊滅的な地震に見舞われ、9千人が死亡、2万2千人が負傷した。この地震は国内のインフラに甚大な影響を与え、国際赤十字赤新月社連盟(IFRC)の報告によると、主に西部と中部で80万棟以上の家屋が倒壊または一部損壊したという。