全国42の教団教派から教職や信徒ら410人が集まり、24日から3日間にわたって開かれた第48回日本ケズィック・コンベンション箱根大会。第2日目のバイブル・リーディングで主講師のロバート・エイメス博士は、ルカによる福音書5章1節から11節を本文に、ケズィックの主要テーマである「御言葉を宣べ伝える」「御言葉に従う」「御言葉に献身する」の3つを主題に講演した。
エイメス博士は、御言葉を宣べ伝える説教者としては、イエス・キリストが「この世で史上最大の説教家」であると語った。本文では、イエスの言葉を聴こうと群衆が「押し寄せて来た」(1)とある。イエスは、「わたしの教えは、自分の教えではなく、わたしをお遣わしになった方の教えである」(ヨハネ7:16)とその説教の源について語っている。イエスの言葉を聴いた聴衆は、「この言葉はいったい何だろう。権威と力とをもって汚れた霊に命じると、出て行くとは」(ルカ4:36)とみな驚いたとある。エイメス博士は、「すべての説教家がこのようになることを願う」と語り、御言葉を宣べ伝えることによって聴く人が新しく変えられ、悪の力に立ち向かうものとなる、これがケズィックのテーマだと強調した。
本文でペトロは、「沖に漕ぎ出して網を降ろし、漁をしなさい」(4)とのイエスの言葉に反論している(5)。すでに夜通し一生懸命働いたにもかかわらず失敗していたからである。エイメス博士は、「(御言葉に)従うことが祝福への道」だと強調し、「この晩の失敗は、一生とれなかったことを意味していない」「イエスの招きの声は失敗をしたあとに響く」と語った。
ペトロは結局イエスの言葉に従い、豊かな収穫を得た。エイメス博士は、ペトロの成功した場所が以前失敗したのと「同じ場所」であったことを強調し、「大事なことは場所ではなく、だれがその命令を出しておられるか」であり、「神の言葉は、今いるところに戻ってもう一度網を降ろしてみなさいと語る」「イエスにあって失敗の場所は勝利の場所となる」と語った。
エイメス博士は、ペトロが失敗したときと「同じ船」で漕ぎ出したことも強調。「私たちの語るのは、変わることのない福音」「昨日も今日も変わらない、確かな真理」であり、「現代にあってどのように語るべきかは考えるべきだが、福音は決して変わることはない」と力を込めた。
本文で網が破れそうになるほどの収穫を見たペトロは、イエスの足もとにひれ伏して、「主よ、わたしから離れてください。わたしは罪深い者なのです」(8)と告白した。完全に崩れたペトロにイエスは、「恐れることはない」と声をかけ、これからは魚をとる漁師ではなく「あなたは人間をとる漁師になる」(10)と語りかけた。エイメス博士は、「ペテロはこの声を聞き、従っていった。主はあなたにもう一度語られている」と聴衆に語りかけ、御言葉の招きに従うよう呼びかけた。