日本YMCA同盟名誉主事の宮崎幸雄(みやざき・ゆきお)氏が10日、肺炎のため死去した。90歳だった。同同盟が14日、ホームページで発表した。
同同盟の田口努総主事は発表の中で、「生涯、一貫して世界平和の実現のために青少年育成とキリスト教運動を推進」したと評価。アジア・世界の指導者養成や青少年の育成・交流に尽力し、「阪神・淡路大震災では世界中からボランティアが支援できる仕組みを整えるなど、常に世界大の視野を持ちながら、隣人愛と行動力にあふれ、世界中の関係者から信頼と敬愛の念が寄せられていました」などと述べた。
宮崎氏は1933年、大阪府生まれ。関西大学英文科卒業後、米国に留学。帰国後、大阪YMCA入職。69年から世界YMCA難民救済事業ベトナム担当ディレクターとして、サイゴン(現ホーチミン)に7年間在住し、ベトナム難民の定住と青少年の社会復帰教育に従事。75年からは、スイス・ジュネーブの世界YMCA同盟本部で難民事業統括責任者として8年間、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)との連絡調整や交渉などを担当した。85年に帰国し、88年から定年退職する98年まで、日本YMCA同盟総主事を務めた。
退職後は、ロータリー米山記念奨学会事務局長・専務理事、アジア青少年団体協議会会長、国際協力機構(JICA)青年海外協力隊・技術専門委員などを歴任した。