中国では1億3千万人もの中国人クリスチャンがおり、地下教会の爆発的な成長は今も続いている。
中国政府(CCP)によるキリスト教徒に対する迫害は、さらに多くの教会を成長させる結果となった。そこでCCPは、攻撃の矛先を聖書そのものに向け、「社会主義的価値観による更新」と称し、共産主義の信念を反映しない聖書箇所を削除するなどの暴挙に及んでいる。聖書を書き換えることで中国人を混乱させ、彼らがキリスト信者になるのを阻止しようというのだ。
高校の教科書の一例だが、ヨハネの福音書第8章、姦淫で捕らえられた女について、CCPの改訂版は聖書の記述を大きく曲げている。そこにはこう書かれている。
「イエスはかつて、罪を犯した女に石を投げつけようとしていた怒れる群衆に向かって『あなた方の中で罪のない者が最初にこの女に石を投げなさい』と話された。群衆はイエスの言葉を聞くと、女に石を投げるのをやめて立ち去った。皆が行ってしまうと、イエス自らがその女に石を投げ、『私も罪人である』と言われた」
全くひどい話だ。ある関係者は言う。「CCPは、共産主義の無神論者のイデオロギーを信じさせることに失敗している再教育キャンプに、もはや満足していないと思います」
「一方キリスト教徒は、中国でキリスト教徒であることの真価は試されることにこそあると見ています。信者たちは、これらのキャンプに収容されたり、拷問されたりすることを誉れあることと見なしているのです」
CCPの締め付けは、日を追うごとにエスカレートしている。子ども向けの聖書は完全に禁止されており、全ての聖書アプリと聖書関連アプリは、全てのアプリストアから強制的に削除された。また何百万人ものキリスト教徒の子どもたちが、公の場で信仰を放棄する書類に署名するよう強制されたのだ。
聖書を改ざんし、異なるイエスを描こうとする試みは、宗教ではなくCCPへの崇拝を中国国民に強制する10年計画の一部だ。政権は2019年に儒教と仏教の教えを含む新しい聖書の翻訳計画を発表した。
しかし中国のキリスト教徒はそれほど心配していないようだ。ある中国人牧師は言う。「為政者たちは決して投獄することができない敵を選んでしまった。遅かれ早かれ、彼らは負ける運命にあるのです」
日増しに弾圧の圧力が高まる中国だが、迫害に慣れた信者たちの強い信仰には目を見張るものがある。なんとも頼もしいことだ。迫害の北風が強くなればなるほど、教会はその勢いを増していく。
中国の兄姉たちの守りと、宣教拡大のために祈っていただきたい。
■ 中国の宗教人口
プロテスタント 6・4%
カトリック 1・6%
無宗教 44・4%
儒教 28・5%
仏教 12・5%
イスラム 1・9%