東京基督教大学(TCU、千葉県印西市)は30日、同大を運営する東京キリスト教学園の朝岡勝理事長兼学園長を新学長に選任したとホームページで発表した。現職の山口陽一学長が、任期2年を残して来年3月で辞任することを表明したため。学長選任を受け、朝岡氏は学園長については退任し、来年4月から理事長と学長を兼任することになる。
同大によると、山口氏の辞任は6月27日の臨時理事会で承認。規程に沿って学長選出手続きを進め、7月25日の臨時理事会で朝岡氏を新学長として選出した。同大で理事長と学長が兼任になるのはこれが初めてとなる。同大の学長は、朝岡氏が7代目。
山口氏は、小林高徳(たかのり)前学長が17年に急逝したことを受け、学長代行に就任。翌18年に正式に学長となった。任期1期目(18~21年)は、総合神学科への改組や新型コロナウイルス対応など難しい局面で陣頭指揮を執った。任期2期目(22年~)は、コロナ対応を継続しつつ、厳しい財政建て直しのための第4期中期計画(23~27年)を策定。その道筋を整えたところで、大学改革の迅速化のためリーダーシップの一元化と世代交代を願い、辞任を申し出たという。
朝岡氏は、将来に向けた大学運営基盤の確立のため、組織改革に着手することを表明。併せて「Stand in the Gap 破れ口にキリストの平和を」を教育目標とした教育改革と速やかな世代交代を進めるとしている。同大は、朝岡氏が理事長と学長を兼任することで、「教職員と理事会がいよいよ力を合わせて大学改革を進め、新時代のTCUを築いていきます」としている。
なお、学園長は朝岡氏の退任後、空席となる。新体制と具体的な改革方針は、11月ごろに発表するとしている。
朝岡氏は1968年、茨城県生まれ。同大の前身校の一つである東京基督教短期大学、神戸改革派神学校卒。日本同盟基督教団正教師。同教団西大寺キリスト教会(岡山市)、東岡山キリスト教会(同)、徳丸町キリスト教会(東京都板橋区)を経て、現在、市原平安教会(千葉県市原市)牧師。2020年から同教団理事長。10年から同学園理事・評議員を務め、21年から理事長、22年から学園長を兼任。同大では18年から非常勤講師を務めている。