長崎に原爆が投下されてから78年となる9日に予定されていたカトリック長崎大司教区主催の「平和祈願祭」が、台風6号の接近に伴い中止となった。同大司教区が8日、ホームページで発表した。
当初は、浦上教会(長崎市)で午後6時から「平和祈願祭ミサ」を行い、午後8時から、同教会から平和公園までを歩く「松明(たいまつ)行列」を行う予定だった。
NHKによると、台風6号は8日午後4時現在、鹿児島県の種子島・屋久島地方や奄美地方を暴風域に巻き込みながら北寄りに進んでいる。9日正午までの24時間に降る雨の量は、いずれも多いところで、九州南部で400ミリ、九州北部と奄美地方で300ミリと予想されている。また、9日には九州と奄美地方で最大風速30メートルの猛烈な風が吹く所がある見込みだという。
長崎大司教区の発表によると、平和祈願祭は中止となるものの、原爆がさく裂した時刻である9日午前11時2分からは、原爆犠牲者の追悼と平和を祈願するミサが浦上教会で行われる。
このミサには、駐日バチカン大使のレオ・ボッカルディ大司教のほか、米国から来日しているサンタフェ大司教区(ニューメキシコ州)のジョン・ウェスタ―大司教、シアトル大司教区(ワシントン州)のポール・エチエンヌ大司教も参加する。
長崎大司教区は、「ミサに参加できない方々におかれましても、原爆や戦争で亡くなられた方々のため、また平和への願いを込めてささげられるミサに心を合わせ、ともに祈っていただければ幸いに存じます」としている。