パレスチナ自治区ガザでは、イスラエル軍による攻撃の止んだいまも、地区封鎖のために病院で日常的に医療品が不足し、多くの女性や子どもたちが榴散弾による被害で苦しんでいる。日本キリスト教協議会(NCC)国際わかちあい委員会が現地で人道支援に取り組む「ACTパレスチナ連絡会」の報告として伝えた。
ガザ市中央にあるアル・アハリ・アラブ病院では、医薬品、検査スタッフ、燃料など、医療に必要なものがいまも不足したままだ。イスラエルは、07年にハマスがパレスチナ政権を取って以来、食料や医薬品などの生活必需品でさえガザへの搬入を厳しく制限し続けてきた。イスラエルの許可を待っているうちに、死ななくてもよい多くの命が失われたという。
報告によると、イスラエル軍による榴散弾の被害で治療を必要とする4割以上が女性と子どもだという。日夜続いた空爆の恐怖にいまもおびえている子どもたちもいる。
イスラエルとイスラム原理主義ハマスとの間では、エジプトを調停役にいまも長期停戦に向けた交渉が行われているが、先行きはなお不透明な状況だ。
イスラエル政府は06年にハマスが拉致したイスラエル兵を解放するまで、ハマスが本格停戦の条件とするガザ地区の封鎖解除に応じない方針を決めている。一方ハマスはイスラエルが先に封鎖を解除すべきだとの姿勢を崩しておらず、このままでは今後交渉が行き詰ることも予想されている。