「ロックダウン中に、いかにして私は救われたのか」。そう証しするのは、パンデミックの制限と恐怖の最中、リモートのアルファコースを通して救われた英国在住のある姉妹だ。
3年前の英国は、パンデミックの恐れが国中に広まり、状況は悪化し、ロックダウンが発令され、全てが止まってしまった。教会は閉鎖され、スモールグループの集まりは停止された。今まで対面で集まってささげられていた礼拝は、オンラインへとシームレスに移行したのだ。
すると今まで500人の会衆の中に入っていくのを恥ずかしがっていた人たちが、ズームの礼拝にはちゅうちょなく入れたという。
バーミンガムのオアシス教会が運営するアルファコース・オンラインを通じて信者になったエミーもその一人だ。
「『ロックダウンの間、信仰を見いだすのは大変でしたか』とか、『普通の教会を経験したことがないのはどうですか』と聞かれることがありますが、確かに、直接礼拝に参加したり、アルファオンラインでできた友人たちとコーヒーを飲みながら語り合ったりすることなど、私にとっては未知であるこれらの一体感に憧れることもありますね。でも、私はこれを一人でやってきたのではありません。私の根を信仰という豊かな土壌に植え、私と主との関係をより強固なものにするために、主は、兄弟姉妹たちと私を会わせながら、一歩ずつ共に歩んでくださいました。月日がたつにつれ、コースを修了し、聖書の一節を学び、祈りをささげ、賛美するたびに、私の神への信頼は増していったのです」
「パンデミックは、私たちの生活から多くの喜びを奪いました。しかし私は、このパンデミックを通して、主にあってより多くを得ることができたのです。まさに『世にあっては苦難があります。しかし、勇気を出しなさい。わたしはすでに世に勝ちました』(ヨハネ16:33)なのです」
「2020年は特に困難な年であったといわれています。前代未聞といえるかもしれません。他の多くの人と同じように、私は悲劇的な家族の喪失、キャリアの不安定、精神的な落ち込み、人間関係の緊張、そして終わりのない不安の状態に直面しました。しかし、この1年を振り返ると、かなりの悲しみがある一方で、大きな力、揺るぎない勇気、そして神の寛大な恵みと愛があふれたことを思い返します。これは、神様が与えてくださった贈り物です。ロックダウンの暗い日々でも、主のいるところには光があり、光のあるところには希望があることを思い出させてくれました。主がいなければこの闘いを強く生き抜くことはできなかったでしょう」
パンデミックという時期の落とし子のようなエミー姉妹の証しだが、これは教会におけるリモートの可能性を再考させるものだ。今後、どのような緊急事態に直面するのか、明日も分からぬ渡世だが、現代機器の力を借りれば、たとえ空間を共有できなくても、同じ信仰の言葉で励まし励まされることが可能であり、主を見上げることも賛美もできるのだ。パウロの書簡とは、まさにリモートによる牧会であり、励ましであり、勧めであったことを鑑みれば、それはわれわれの教会観に柔軟性を与えるのではないか。
パンデミックの初期においてはあらゆるものがロックダウンされたが、神の言葉は決してつながれてはいなかった(2テモテ2:9)。
オンラインであろうと対面であろうと、あらゆる手段を通して宣教がなされ、救いが起こされ、弟子化が進み、主の御体なる教会が建て上げられ、主の御名が高らかにたたえられ、礼拝がささげられる。バーチャルと対面、両面において、英国での宣教が力強く進むように祈っていただきたい。
■ 英国の宗教人口
英国教会 36・2%
プロテスタント 8・3%
カトリック 8・6%
無神論 34・5%
正教 1・1%
ユダヤ教 0・4%