フランスで開かれた第76回カンヌ国際映画祭に出席した後、イタリアを訪問していた映画監督のマーティン・スコセッシ氏が27日、ローマ教皇フランシスコと面会した。面会後には、バチカン(ローマ教皇庁)で開かれた会議に出席し、イエス・キリストに関する映画を製作することを明らかにした。
米エンタメ業界紙「バラエティー」(英語)が複数の報道として伝えたところによると、バチカンで開かれた会議「カトリック的想像力のグローバルな美学」に出席したスコセッシ氏は、「私は、芸術家に対する教皇の求めに対し、私の知る唯一の方法、すなわち、イエスについての映画を思い描き、脚本を書くということによって応えることにしました」とコメント。さらに「その映画の製作を始めるところです」と述べ、イエス・キリストに関する映画が、今年10月に劇場公開されている「キラーズ・オブ・ザ・フラワー・ムーン」に続く、次期作となる可能性を示した。
会議は、イエズス会が発行する最古のカトリック誌「ラ・チビルタ・カットリカ」と、イエズス会設立の米ジョージタウン大学が共催した。バラエティー紙によると、スコセッシ氏と対談した同誌編集長のアントニオ・スパダロ神父は、スコセッシ氏が映画作品への言及と個人的な逸話を交互に繰り返しながら話し、教皇の「(映画を通して)イエスに会わせてくれ」という求めが、いかに自身を動かしたかを説明したと述べている。
スコセッシ氏は対談の中で、イタリアの映画監督ピエル・パオロ・パゾリーニ氏が1964年に発表した「奇跡の丘(英題:The Gospel According to St. Matthew)」に言及し、好意的に評価。また、自身が1988年に発表し物議を醸した「最後の誘惑」や、遠藤周作の小説『沈黙』を原作にして2016年に発表した「沈黙―サイレンス―」についても触れたという。
Thank you to Martin #Scorsese for accepting the invitation to join us of La Civiltà Cattolica and Georgetown University - along with his wife and daughter - in the meeting of 40 poets and writers from different Countries with #PopeFrancesco, who said among other things, "This is… pic.twitter.com/yG6bEyo2Wq
— Antonio Spadaro (@antoniospadaro) 2023年5月27日