ベストセラー『人生を導く5つの目的』の著者として知られるリック・ウォレン牧師が、英ロンドンにある福音派神学校「スポルジョンズ・カレッジ」の初代総長に就任した。
同校は英国を代表するバプテスト派の神学教育機関で、「講壇のプリンス」の異名を持つバプテスト派の著名な説教者チャールズ・スポルジョン(1834~92)が、1856年に「パスターズ・カレッジ」として創設した。ウォレン牧師が就任した総長(Chancellor)は、英国の高等教育機関においては名誉職で、同校が総長を置くのは160年を超える歴史でこれが初めて。
ウォレン牧師は昨年9月、自身が創設したバプテスト派のメガチャーチ「サドルバック教会」(米カリフォルニア州)の主任牧師を引退した。しかしその後も、世界宣教ムーブメント「フィニッシング・ザ・タスク」(FTT)を創設するなど、積極的に活動している。
ウォレン牧師の曽祖父がスポルジョンズ・カレッジで学び、信仰に導かれ、奉仕者として召され、スポルジョン本人によって米国に派遣され、教会を開拓したことから、ウォレン牧師は同校と個人的に強いつながりを持っている。
ウォレン牧師は総長就任を受け、次のように述べた。
「スポルジョンズ・カレッジの発展と使命において重要な時期に、初代総長として正式に寄与できることをうれしく思います。私は4世代にわたり、チャールズ・スポルジョンと彼が創設したこの学校の働きに家族ぐるみの個人的で深いつながりを持っています。私の家族が米国に移住したのも彼のおかげなのです」
「また、聖職に就くことの意味や、聖書から学んだ聖職者の指導的役割に関する私の理解は、チャールズ・スポルジョンが示してきた見解と同じものです。私は、この地域に恩返しする機会を与えてくださった神とスポルジョンズ・カレッジに感謝しています」
同校は昨年、英国の教育制度改革によって新設された「学生局」から学位授与に関する完全な承認を受けた。ウォレン牧師の総長就任は、同校にとってそれに続く重要な出来事。
ウォレン牧師は、キリスト教が衰退し続ける英国で、宣教や牧会、現代社会におけるリーダーシップの分野において、総長の立場から学生らを訓練し、イエス・キリストを告げ知らせるという同校のビジョンを支援することになる。
スポルジョンズ・カレッジの実質的な総長の立場にあるフィリップ・マコーマック副総長(Vice Chanceller)は、ウォレン牧師を同校の一員に迎えることができ「感無量」だと述べた。
また、ヘレン・ストークリー副総長代理(Deputy Vice Chancellor)は、「米国や世界各地で長年、卓越した宣教活動に従事してきたウォレン牧師は、バプテスト派の著名な説教者チャールズ・スポルジョンと関りを持っています」と述べ、「ウォレン牧師のこれまでの素晴らしい働きと経験は、本校がロンドン全域で市民活動を展開し、英国内のキリスト教団体を継続的に支援する上で極めて重要なものとなるでしょう」と語った。