新たな胚(はい)性幹細胞(ES細胞)研究に連邦政府予算を支出しなかったブッシュ前大統領の政策からの転換を公約しているオバマ米大統領は近く、ES細胞研究への連邦政府予算支出を解禁する。アクセルロッド米大統領上級顧問が15日のFOXテレビの番組で明らかにした。
ES細胞研究については、科学者らの間で難病治療につながると期待される一方で、受精卵を破壊することへの懸念からキリスト教右派の反発が根強い。このため、キリスト教右派を基盤とした旧ブッシュ政権では01年8月以降の新たな研究には予算を支出しなかった。
ローマ教皇庁は昨年12月、受精卵を壊すES細胞研究について「人間の尊厳を損ねるもので、生命倫理の観点から許容できない」とする声明を発表している。