カトリック教会の支援団体の連合体である「国際カリタス」は13日、ローマで開催している第22回総会(11~16日)で、東京大司教区の菊地功大司教を第13代総裁に選出した。任期は4年。
菊地大司教は、1995年にコンゴ民主共和国(旧ザイール)に設置されたルワンダ難民キャンプで、カリタスジャパンのボランティアとして活動して以降、カリタスの働きに携わってきた。
1999~2004年にはカリタスジャパン援助部会秘書、07~22年にはカリタスジャパン責任司教を務め、11~19年にはカリタスアジア総裁、1999~2004年には国際カリタス理事、11~19年には国際カリタス評議員を務めた。
また、21年からはアジア司教協議会連盟(FABC)事務局長、昨年からは日本カトリック司教協議会会長も務めている。
カリタスジャパンの発表によると、菊地大司教は総裁選出を受け、「カリタスは、ただ食料や衣服やシェルターを提供するのではありません。希望をもたらすのです。そして、希望は外から与えることができるようなものではありません。共に歩むことによってもたらすことができるのです」と語った。
カリタスは、ラテン語で「愛」を意味する言葉。支援団体としての活動は、1897年にドイツで始まった。20世紀に入って、後に教皇パウロ6世となるジョバンニ・バッティスタ・モンティーニ司祭によって国際的なネットワークの基盤が整えられ、1950年に当時の教皇ピオ12世が認可。現在は、国連経済社会理事会による最高資格である総合協議資格を持ち、160カ国以上の各国カリタス組織が加盟しており、200以上の国と地域で活動している。
国際カリタスを巡っては昨年11月、教皇フランシスコが教令(英語)を発表。「その使命の遂行を改善するため、規約と規則を改正し、現在の規則の枠組みを組織の法的機能により適したものにするとともに、次期総会で行われる選挙に備える必要があると思わる」とし、総裁、副総裁、事務局長のほか、理事や評議員も含めた幹部を退任させ、イタリア人の組織改革コンサルタントを暫定管理者に任命していた。
バチカン・ニュース(英語版)によると、国際カリタスを管轄するバチカン(教皇庁)の総合人間開発省も、教令が出されたのと同じ日に報道向けの声明を発表した。
声明は教皇の決定について、「独立委員会による(国際カリタスの)運営の再検討」を受けたものだと説明。「財政的な事柄はうまく処理され、募金目標は定期的に達成されてきた」「財政的な運営ミスや性的な不適切さを示す証拠は発見されなかった」ものの、「運営や手続きに実際の欠陥が見られ、チーム精神とスタッフのモラルを著しく損ねていた」とし、組織改革の必要を示していた。