10月に開催されるカトリック教会の「世界代表司教会議」(シノドス)の総会で、投票権が非司教にも大幅に拡大されることになった。また、これまで投票権が認められていたのは男性のみだったが、今回は女性も40人以上が投票することになる。
バチカン・ニュース(英語版)によると、シノドス事務局は26日、司教ではない人々(司祭、助祭、奉献生活者、信徒)から教皇が任命した70人に対し、投票権が付与されると発表した。70人のうち半数(35人)は女性で、その中には数人の若者も含まれるという。
世界7地域の司教協議会連盟と東方典礼カトリック教会総大司教総会が140人のリストを作成し、教皇はその中から非司教の代表者70人を選ぶことになる。
また、男女それぞれの修道会総長連盟組織(男子は修道会総長連盟=USG、女子は国際修道会総長連盟=UISG)によって選ばれる修道士5人、修道女5人にも投票権が付与される。
シノドス事務局長のマリオ・グレック枢機卿と、シノドス総報告者のジャンクロード・オロリッシュ枢機卿は、この日に開いた記者会見で、「これは革命ではなく、重要な変化」と語った。
教皇フランシスコは2021年、投票権のあるシノドス事務局次官の1人に、フランス人修道女のナタリー・ベカール氏を任命。これまで10月の総会では、ベカール氏が女性として初めて投票する予定だった。それが今回の発表により、女性の投票権保有者がさらに増え、ベカール氏を含め計41人の女性が投票する見込みとなった。
バチカン・ニュースによると、総会には約400人が出席し、このうち投票権を保有するのは約370人。今回の発表により、投票権保有者に占める女性の割合は1割強となった。
シノドスは、世界各地から選出された司教らが、さまざまなテーマについて議論をし、カトリック教会のトップである教皇に提言を行う会議。シノドス自体に決定権はないものの、教皇は提言を受け、シノドス後に「使徒的勧告」として文書を出す。
現在は、シノダリティ(シノドス性=共に歩むこと)をテーマに、第16回通常総会(2021~24年)が開催されており、これまでに教区レベルのステージ1、大陸レベルのステージ2が終わっている。10月に予定されているのは、ステージ3に当たる総会第1会期。10月4日から29日にかけ、ローマで開催される。最後のステージ4である総会第2会期は、来年10月に予定されている。