津田塾大学の創設者で、2024年度発行予定の新5千円札の肖像画に決まっている津田梅子(1864~1929)のパイオニア精神にちなみ、女性の可能性を広げる取り組みを行っている個人や団体、先駆的な活動を展開してきた女性らに贈られる「津田梅子賞」の2023年度の候補者募集が、14日から始まった。
同大創立110年の2010年に創設された賞で、今年で13回目。これまでに、元マラソン選手の有森裕子氏や国境なき医師団日本元会長の黒﨑伸子氏、NHK「クローズアップ現代」のキャスターを20年以上務めてきた国谷裕子氏らが受賞している。昨年は、女性として初めて官僚トップの事務次官となった松原亘子(のぶこ)氏が受賞した。
日本における女子教育の先駆者と評価される津田は、当時6歳だった1871年、欧米視察の岩倉使節団と共に、日本初の女子留学生の一人として渡米。その後、華族女学校教授、再留学などを経て、当時36歳だった1900年に、津田塾大学の前身となる女子英学塾を開設した。最初の留学時には、米国滞在中にキリスト教信仰が芽生え、9歳の時に東部ペンシルベニア州の教会で洗礼も受けている。
同大は、津田について「明治日本の保守的な壁を目の前にしながらも、勇気・情熱・志をもって、私塾の創設、経営という先駆的な企図に挑戦し、その後の女性の社会参画に大きく貢献しました」と紹介。それから1世紀余りがたち、さまざまな分野で女性が活躍するようになった一方、複雑化する現代社会には当時とは異なるさまざまな困難があるとし、「津田梅子であれば何に取り組み、そして何に挑戦しているでしょうか」と問いかけている。
選考対象は、1)女性の可能性を広げる取り組みを行う個人(性別は問わない)または団体・組織、2)さまざまな分野で先駆的な活動を展開した女性。学内外の6人で構成された選考委員会が選考する。贈賞式は10月8日(日)に同大小平キャンパス(東京都小平市)で行われ、受賞者には副賞として賞金30万円が贈られる。
応募の受け付けは、7月7日(金)まで(必着)。応募は他薦に限り、所定の推薦書に候補者と推薦対象となる取り組みの詳細を記入し、同大経営企画課内「津田梅子賞」事務局(〒187−8577 東京都小平市津田町2−1−1)に郵送で。取り組みに関する参考資料などがあれば、説明書きを添付して同封する。推薦書のフォーマット、詳細は、同大のウェブサイトを。問い合わせは、同事務局(電話:042・342・5113、メール:[email protected])まで。