世界中のイスラム教徒たちは、3月22日からおよそ1カ月のラマダン月を迎えた。アルジェリアのようにイスラム教を国教とする国では、ラマダンは厳格に守られる。ラマダン中には、非イスラム教徒に対しても、日中の公共の場での飲食が法律で禁じられているのだ。
政府が教会を閉鎖し、役所は宗教団体の登録手続きをなおざりにしているため、アルジェリアのキリスト教徒は、ますます困難な生活を強いられている。
国際的なミニストリーと協力関係にある現地の兄弟に話を聞くと、彼は「今、多くの家族が集まっており、日曜学校では子どもたちが学び、一緒に成長するのを助けています。だから(教会の)建物が閉鎖されるのはとても悲しいことです」と述べた。
しかし、それでも希望はある。「政府は建物を閉鎖する以外に何もできません。実際には、さまざまな場所で教会が一緒になって形成されているのです」「このような小さな家の集会が存続している一方で、地下に潜らざるを得ない影響や、若い人たちのためのプログラムが支障を来していることを感じています。ユースとヤングアダルトは、それぞれ独自の活動をしていて、自分たちのプログラムのために協力し合っています。ただし、残念ながら家の教会ではそれができないのです」と兄弟は言う。
「しかし、教会はまだ成長しています。インパクトは相変わらず維持しています。福音が広がっているのです。政府は、キリスト教徒はイスラム教の中で存在する権利がないと考え、全ての教会を閉鎖しようとしています。しかしこれらの教会は、政府から受けた迫害や困難、厳しい圧力にもかかわらず、長年にわたって花を咲かせてきたのです」
アルジェリアでは、ほとんどのキリスト教徒がイスラム教徒の出身だ。オープン・ドアーズのワールド・ウォッチ・リストによると、アルジェリアは19位にランクされており、キリスト教徒の迫害レベルが高い国だ。
キリスト信者になると、家族、友人、そして政府までもが、差別や嫌がらせをしてくる。彼らは、イスラムこそがアルジェリアに存在すべき唯一の宗教だと考えている。政治的には、キリスト教徒にもドアが開かれているものの、制限付きで開かれているに過ぎないというのだ。
「アルジェリアの多くのキリスト信者は、信仰故に生じる代償を認識し、たとえそれがどんなにつらくとも、あるいは命を失うかもしれないほどであったとしても、十字架を背負う道を選びます。厳しい迫害にもかかわらず、彼らはイエスに従うことが、他の何よりも優れていると考えるのです」
アルジェリアでは、どんな困難にも負けず、地下教会が信仰を守っている。「彼らは、長年にわたって、政府や学校が、真理についてうそをついてきたことが分かりました。キリスト者には大胆な証しがあるのです」
「今、彼らはイエス・キリストを発見し、その信仰について率直であり、神が彼らを自由にするためにその時を定めてくださっていると信じています」と現地の兄弟は述べる。
アルジェリアの信者は困難な時を過ごしている。アルジェリアの兄姉らが、大胆に証しを続け、試練や困難に耐え、信仰故に迫害されることがあっても、耐え続けることができるように祈っていただきたい。
■ アルジェリアの宗教人口
イスラム 97・3%
プロテスタント 0・3%
カトリック 0・01%
無宗教 2・4%