アラブの春以来、長らく内戦が続くシリアだが、地震は反政府勢力が支配する北部地域を襲った。すでに地震から1カ月たつが、先月24日、シリア政府は、被災した北西部を空爆し、2人が殺害された。人々がまだ、地震後の心的外傷後ストレス(PTSD)に苦しんでいる矢先の出来事だった。
援助物資を運ぶトラックが被災地に到着するまでに1週間近くかかり、そのために失われる命があるのではないかと懸念される。シリア政府は援助物資を届けるために、より多くの国境を開いたが、それでも支援は不足している。
米国のロバート・ウッド国連代理大使は、シリアの支援物資が横領されていることを指摘した。悪いことにシリア政府はシリア北西部での砲撃を再開し、被害に拍車をかけている。
殉教者の声カナダと共にシリアで活動するフェイズ・ユセフ牧師は言う。「人々は心配し、恐れ、落ち込み、トラウマを抱えています。明日何が起こるのか分からない状況での唯一の希望は、彼らがキリストに出会うことです」
シリア北部の被災地域には、900万人近くが住んでいる。地震の被害が最も大きかった2つの地域は、比較的キリスト教会や信者の共同体が多い地域だ。
「教会はアレッポにあります。ラタキアにもあります」「圧迫の中にいる人々は怖れを共有し、彼らの間で連帯が生まれます。この状況で、多くの人々が福音に心を開くのです」「シリアのキリスト教徒は、貧しい人々や困っている人々に手を差し伸べ、地域社会で、非常に活発に活動しています。彼らは診療所を開設し、危機を経験する人々を擁護するのです」
長引く内戦と折からの地震の二重苦に苦しむシリアのために祈ろう。このような状況下で、何よりも人々の心が福音に大きく開かれているという。これは大きな慰めだ。奮闘する兄姉らのためにも祈ろう。
この地の絶望がキリストの希望に取って代わり、人々の肉体的必要と霊的な必要が主にあって満たされるよう祈っていただきたい。
■ シリア内戦前の宗教人口
イスラム 90%
プロテスタント 0・2%
カトリック 3・1%
正教会関係 3・0%