毎年最悪の迫害国50をリストする米宣教団体オープンドアーズの最新のワールド・ウォッチ・リストによれば、昨年のキリスト教迫害は、彼らが調査を開始した30年間で過去最悪レベルだったという。
北朝鮮は、同国の反動的思想禁止法に基づき、再びリストのトップになった。この禁止法では、外国のラジオを聴いたり「不純な」外国のレコードや他のメディアを配布したりすることなど、さまざまな行為を違法とみなして定義している。その禁止事項には、聖書も含まれている。
昨年タリバンの復権によって最悪国としてリストされたアフガニスタンは、今回は9位になった。これは同国の状況が改善しているわけではなく、外国へ亡命したり、深く潜伏したり、キリスト者が自らの存在を気付かれないように鳴りを潜めたからだ。
昨年、高レベルの差別や迫害を受けたキリスト教徒は、世界で少なくとも3億6千万人以上に上った。93年にワールド・ウォッチ・リストが立ち上がって以来、高レベルの迫害がほぼ倍増した。
30年にわたって提供されてきたワールド・ウォッチ・リストは、非常に優れた分析として評価され、今では一般のメディアでも使われる機会が増えた。
またこの分析は、意外なことに、リストされた国の政府からも歓迎される傾向が強い。というのも、地下教会や村レベルで、その国で何が起きているのか、より深く掘り下げた分析によって、為政者が自国で何が起きているのかを把握できるからだ。ただし、北朝鮮や中国のように、為政者自身が迫害の主体である場合はその限りではない。
30年にも及ぶワールド・ウォッチ・リストの作成という尊い働きの故に、われわれは、被迫害信者のために祈りと支援、擁護の声を上げることができるのだ。
オープンドアーズのある関係者は言う。「長年にわたるリスト作成の調査で分かったことは、迫害が増加しただけではなく、むしろ迫害が加われば加わるほど、キリストの体の大きさと強さも増し加わるのだということです。多くの残虐行為の背後には、多くのドラマや恵み、慰めがあり、結果的に教会は成長しているのです」
感謝なことに、厳しい迫害の中にあっても、神の真実は決して変わらない。迫害にある教会と兄弟姉妹らを覚えるとともに、慈しみ深きわれらの主イエスを褒めたたえよう。
以下、2023年のワールド・ウォッチ・リスト国をランキング順に記す。
- 北朝鮮
- ソマリア
- イエメン
- エリトリア
- リビア
- ナイジェリア
- パキスタン
- イラン
- アフガニスタン
- スーダン
- インド
- シリア
- サウジアラビア
- ミャンマー
- モルジブ
- 中国
- マリ
- イラク
- アルジェリア
- モーリタニア
- ウズベキスタン
- コロンビア
- ブルキナファソ
- 中央アフリカ
- ベトナム
- トルクメニスタン
- キューバ
- ニジェール
- モロッコ
- バングラディッシュ
- ラオス
- モザンビーク
- インドネシア
- カタール
- エジプト
- チュニジア
- コンゴ
- メキシコ
- エチオピア
- ブータン
- トルコ
- コモロ
- マレーシア
- タジキスタン
- カメルーン
- ブルネイ
- オマーン
- カザフスタン
- ヨルダン
- ニカラグア