カトリック教会、英国国教会(聖公会)、スコットランド国教会(長老派)のトップ3人が、南スーダンを訪問し、同国の指導者らに対し、長年の内戦による流血を止めるよう呼びかけた。
カトリック教会のローマ教皇フランシスコ、英国国教会のカンタベリー大主教ジャスティン・ウェルビー、スコットランド国教会のイアン・グリーンシェルズ議長は、3日から5日にかけて、南スーダンのサルバ・キール・マヤルディ大統領の招待で、歴史的な「平和のエキュメニカル巡礼」として同国を訪問した。
フランシスコ教皇は首都ジュバで南スーダンの指導者らに向けて演説し、「戦争の時代を後にし、平和の時代を始める」よう促しながら、和平プロセスは「停滞している」ようだと述べた。
「私たちは、耐え忍んでいる暴力や持続する治安の悪さ、貧困や自然災害のために、偉大な尊厳をもって涙している国民全体の嘆願を聞き、この平和のエキュメニカル巡礼を行いました」
「未来の世代は、あなたがたが今していることに基づいて、あなたがたの名前をあがめるか、その記憶を消し去るかのどちらかを選ぶでしょう」
ウェルビー大主教は、南スーダンの人々は紛争にうんざりしていると述べる一方、平和は手の届くところにあると伝えた。
「2019年にあなたがたがした約束を思い出すとき、私は悲しみを覚えます。私たちが、いまだこのような悲劇を聞いていることを悲しく思います。私たちはより多くを望み、祈りました。私たちはより多くを期待しました。あなたがたはより多くを約束しました」
「私たちは、和平合意の一部を選ぶことはできません。全ての部分が全ての人によってなされなければなりません。そして、それには多くの代償が必要です」
「しかし、平和と和解への答えは、このような訪問にではなく、皆さんの手の中にあります。自由のために長い間戦い、それを勝ち取った南スーダンの英雄的で勇敢な人々は、平和と和解のために戦う勇気を持った人々であることは確かです」
「それはあなたがたの手の届くところにあります。あなたがたのすぐ近くにあります。神の助けを借りて、それを手に入れることができるのです」
グリーンシェルズ議長は、世界は「寛大な心、自由な愛、神の恵みを惜しまない教会と指導者たちを必要としています」と語り、「これらのことが平和をもたらすのです」と語った。
南スーダンは2011年にスーダンから独立したが、その後の13年間は、大半が内戦によって損なわれてきた。内戦により、少なくとも40万人が死亡し、200万人が避難を余儀なくされている。また、940万人近い人々が人道支援を必要としていると推定されている。