トルコ南部を震源として6日に起きた大地震で、トルコや隣国シリアの死者が、両国の当局発表で、7日までに5千人を超えたと共同通信が伝えた。
負傷者は1万人を優に超えるとみられている。救助隊ががれきから多くの遺体を引き出すにつれ、死者数は増え続けている。
この課題でも幾度か取り上げた、ラジオ伝道に取り組む宣教団体トランス・ワールド・ラジオ(TWR)のパートナーがトルコの現地にいる。そこからの情報によると、聖書にゆかりのあるアンタキヤは、最も被害の大きかった都市の一つだという。アンタキヤは、パウロの3回の伝道旅行の出発基地となったアンテオケの後継都市だ。
現地のTWRのスタッフたちはひどい状況を目の当たりにしている。
ある姉妹は「今、周りのものは全て倒壊しているか、倒れています。残念ながら、南東部はひどい状況です。10の主要都市がこの影響を受けています。がれきの下には信者の家族が何組もいて、彼らが助かるかどうかの判定(トリアージ)を待っているところです」と伝えた。
地震は2回にわたって発生しており、国連によると、最初のマグニチュード7・8の地震は、冬の最も寒い日を襲ったという。シリア北部の国連の重要な支援拠点であるガズィアンテプは、被災都市の一つだ。国連の被災支援に支障が出ないのかが危ぶまれる。
地震は遠くレバノンでも感じられたが、より身近なところでは、シリア北部のアレッポとイドリブでも、2つの病院を含む数千の建物が崩壊したと伝えられている。
シリア北部では、長期にわたる戦争によって避難した数百万人の人々が暮らしており、人道的ニーズはすでに膨大なものとなっている。
雪と雨が救助隊の作業を妨げており、その家族も倒壊した建物の下に埋もれていると考えられている。
中東のこの地域は、いくつかの断層の上に位置しているため、地震がよく発生する。6日月曜日の最初の地震は、1939年以来、トルコで最も強い地震であり、この災害は、記録されたものでは最大の被害となる勢いだ。99年にも同じ強さの地震が発生しており、その時は1万8千人以上が死亡している。
この災害がどのような規模になろうとも、TWRのパートナーとそのチームは、被災者を支援する用意があるという。キリストにある現地の信者たちは、早くもキリストの名において援助の動員に動いている。
彼らは「今、毛布、食料、衣料を買っています。どうか祈ってください」と要請している。また、停電や回線の集中のため、電波が届かない通信障害も発生している。
前述の姉妹も「私たちは、できることは何でもしたいし、現地の兄弟姉妹のために必死で祈っています」と付け加えた。
一般に、がれきに埋もれた生存者が生還できるタイムリミットは「72時間の壁」と呼ばれ、それを過ぎると生存の可能性は極端に落ちる。さらに寒さが追い打ちをかける。緊急の祈りが必要だ。
主が現地の兄弟姉妹たちに、特に報告を寄せたTWRのパートナーチームに知恵と識別力を与え、緊急の助けと明日の希望を必要とする被災者を示してくださるように祈ろう。また、奇跡的にトルコの通信が復旧され、コミュニケーションが速やかに回復し、必要なものが必要な所にいち早く届けられるように、緊急の祈りをささげていただきたい。
■ トルコの宗教人口
イスラム 96・6%
プロテスタント 0・03%
カトリック 0・06%
正教 0・03%
ユダヤ教 0・02%