世界最大の聖書アプリ「YouVersion(ユーバージョン)」が最近、米メタ(旧フェイスブック)社の幹部を含む、指導的な役割を担うスタッフ数人を採用した。また、今月には1日当たりの利用者数が1200万人を突破し、過去最高を記録。さらなる成長のため、今後数年でスタッフを倍増する計画だという。
ユーバージョンは、米オクラホマ州を拠点とするメガチャーチ「ライフチャーチ」が開発した聖書アプリ。2008年7月に、米アップル社の「アップストア」がオープンすると、利用可能な最初の200アプリの1つとしてリリースされた。
リリースされてから15年間で、利用可能な聖書の言語・訳の数は増え続け、1月現在、1922言語2888訳の聖書を全て無料で利用できる。アプリのダウンロード数は5億5千万件を超えており、米宗教専門のRNS通信(英語)によると、1月15日には1日当たりの利用者数が1200万人を突破し、過去最高を記録した。アプリの開発者であるライフチャーチのボビー・グルーネワルド牧師は、この数字もすぐに日常的なものになるだろうと語っている。
RNS通信によると、ユーバージョンは最近、メタ社運営のSNS「フェイスブック」で、信仰に基づくコミュニティーとのパートナーシップ関係を築く部門の責任者を務めていたナノ・ジョーンズ氏を採用した。
夫が牧師で、複数の著書があるジョーンズ氏は、これまでもティーチングパートナーとして、ユーバージョンの働きに関わっていた。ジョーンズ氏の公式サイト(英語)によると、新たな役職は、最高コンテンツ・パートナーシップ責任者。
RNS通信によると、ユーバージョンはジョーンズ氏の他に、全米上位500社がランキングされる「フォーチュン500」にも選出されているトップ企業から2人を採用。これらは、ユーバージョンをさらに成長させるための計画の一部で、グルーネワルド牧師は、現在165人いるスタッフを今後数年で倍増させる計画だと話している。
ユーバージョンは、これらのスタッフの他にも、世界で千人近いボランティアが関わっており、さまざまな言語・訳の聖書だけでなく、テーマに沿った聖書の読書プランも提供。現在、80以上の言語で約2万7500の読書プランを利用できる。
利用者は世界的に増加しているが、特に成長が著しいのは、アフリカ、東南アジア、南米だという。昨年12月には、アフリカの数カ国で低データ量の新しい聖書アプリをリリースした。新しいアプリは、ネット接続がない状態でも使いやすく、アプリ自体のデータ量も少ないため、低容量のデバイスに適しているという。
ユーバージョンは、献金や教会の基金などに支えられて運営されている。「私たちは、多くの人に聖書を読んでもらいたいのです」と言うグルーネワルド牧師は、この働きはまだ始まったばかりだとし、今後も継続的に成長できるよう惜しみなく投資していくと話している。