ギリシャ史上最も偉大なサッカー選手の一人バシリス・ツァルタス氏が、ギリシャの新しい性同一性法への批判をSNS上に投稿したことにより、昨年11月、禁固10カ月を言い渡された。
引退したミッドフィールダーのバシリス・ツァルタス氏は、2017年にギリシャで採用された新しい性同一性法についてフェイスブック上で批判するコメントをしたとして、アテネの裁判所から10カ月の禁固刑と5千ユーロの罰金の支払いを命じられた。
この新法では、不妊手術や性転換手術を必要とせず、未成年の15歳から自分の性を変更することを可能にしている。これには、ギリシャ正教からの強い反発があった。
ギリシャのメディアによると、ツァルタス氏は「この忌まわしい法案を批准した議員の子どもたちから最初に性転換が行われたらいい」と書き「いっそ小児性愛者も合法化して、犯罪を完遂するがいいさ」と皮肉と怒りを込めて投稿した。さらに数時間後、ツァルタス氏は「神はアダムとイブを創造された」と書き込んだ。
判決にツァルタス氏は控訴する予定だ。彼は国内プロチームや2004年の欧州サッカー選手権優勝時のギリシャ代表選手で、現役時代は一度もレッドカードを受けたことがない。彼の判決は、性自認に基づく暴力や憎悪を扇動することを違法とする法律に基づいて下されたもので、このような有罪判決は、この法律が施行されてから初めてとなる。
彼の発言に品位が欠けていなかったとはいわないが、それでも彼の言論の自由は確保されるべきだ。しかも彼がSNSに投稿してから5年もたって刑事罰に問われるのだ。起きている事は尋常ではない。
元来ギリシャのような保守的な社会の国でも、この分野の暴走が急激に進んでいる。現在欧米では、聖書に基づく性別観を公に述べたとき、それが刑事罰の対象となる時代なのだ。われわれは今、危機感のある時代に生きている。
主イエスは言われた。「夕方になると、あなたがたは『夕焼けだから晴れる』と言い、朝には『朝焼けでどんよりしているから、今日は荒れ模様だ』と言います。空模様を見分けることを知っていながら、時のしるしを見分けることはできないのですか」(マタイ16:2、3)
この時代にのみ込まれることのないように目を覚まして祈り、時代のしるしを見定めよう。ジェンダーの問題で、特に激しい戦場となっているギリシャ、欧米の信者たちが、真理の戦いを立派に戦い抜き、最後まで立つべきところに堅く立つよう祈っていただきたい。
■ ギリシャの宗教人口
正教会関係 91・8%
プロテスタント 0・4%
カトリック 1・5%
英国教会 0・03%
ユダヤ教 0・02%
イスラム 5・8%