アフリカ中部のコンゴ民主共和国(旧ザイール)の教会が爆弾テロによる襲撃を受け、少なくとも17人が死亡、多数の負傷者が出た。
襲撃は、現地時間15日午前11時ごろ、ウガンダとの国境に近い同国北東部の北キブ州カシンディで発生。この日は日曜日で、教会には当時、キリスト教徒数百人が新年の祈りと洗礼式を伴う礼拝のために集まっていた。
報道によると、襲撃者らはイスラム主義のテロ組織「民主同盟軍」(ADF)に属していたとされる。襲撃では、手製の簡易爆弾が使用されたとみられている。
近隣教会の牧師は、迫害監視団体「国際キリスト教コンサーン」(ICC、英語)に、礼拝の途中で大きな爆発音を聞いたと語った。その後、牧師と教会のメンバーたちは現場に駆け付け、救助に当たった。
牧師は「信者たちが叫び声を上げ、煙が全体に充満していたので、辺りは混沌としていました」と言い、襲撃は「陰惨なものでした」と語った。
襲撃を受けた教会は、「中央アフリカ・ペンテコステ教会共同体」(CEPAC)に属しており、襲撃時には、新年の祈りと改宗者60人の洗礼を行うために多くの人々が集まっていた。
生存者の一人はICCに、「この攻撃は、今日、私たちの教会で起こるとは思ってもみなかったことです」と述べた。報道によると、複数の生存者は重体だという。
別の生存者はICCに、「私たちは深いショックと混乱の中にいます」と語った。
「私たちは、新年の祈りと礼拝の最終日である3日目に、別の教会から来た新しくクリスチャンとなる60人の洗礼に立ち会っていました」
「会堂は満員で、入れない人々は屋外の席に座っていました。私は会衆と反対側、つまり爆弾が爆発した側とちょうど反対側に座っていたので助かりました。爆発で人々は上や横に投げ飛ばされ、その場で10人ほどが死亡しました」
カシンディで牧師会の指導者的立場にある聖公会の大執事は、次のように語った。
「襲撃は予想外の時に起こりましたが、このことは敵が私たちの内に住んでいることを思い起こさせるものです。私たちは、祈り続け、キリストにある希望を揺るがずに持ち続ける必要があります」
日本の公安調査庁によると、ADFはウガンダのイスラム教国化を目指して1995年ごろに活動を開始。2001年のウガンダ軍による掃討作戦で幹部の多くが死亡し、残存勢力が隣国コンゴ民主共和国の北キブ州に逃亡した。現在は同州内の村落や当局などに対する襲撃を継続しているという。米国務省は19年、ADFの幹部6人に対し制裁を科すと公表。また、ADFが過激派組織「イスラム国」(IS)と連携をしていると指摘している。