マルティン・ルターの世界的な研究者として知られる徳善義和(とくぜん・よしかず)牧師が3日、死去した。90歳だった。葬儀は7日、日本福音ルーテル教会市ヶ谷教会で近親者のみで行われた。
1932年東京生まれ。東京大学工学部、日本ルーテル神学校卒業、立教大学大学院博士課程中退。神学博士。日本福音ルーテル教会牧師。ルーテル学院大学、日本ルーテル神学校名誉教授。同大と同校で40年近く教鞭を執り、同校校長やルター研究所所長などを歴任した。
日本におけるルター研究の第一人者として知られ、『マルチン・ルター 生涯と信仰』『マルティン・ルター ことばに生きた改革者』『ルターと賛美歌』など、ルターに関する多数の著書があり、『キリスト者の自由』『ルター著作選集』など、ルターの多くの著作を日本語に翻訳した。
エキュメニカル運動にも力を入れ、ルーテル世界連盟(LWF)では、カトリックとの対話に貢献。第二バチカン公会議で出された「エキュメニズム教令」の発布50周年を記念して、日本のカトリック教会、日本聖公会、日本福音ルーテル教会が2014年に行った合同礼拝では、説教を取り次いだ。
この他、日本キリスト教協議会(NCC)議長、日本エキュメニカル協会理事長などを歴任。2014年には、日本キリスト教文化協会からキリスト教功労者として顕彰された。