ミャンマーのカチンバプテスト連盟(KBC)前会長のフカラム・サムソン牧師が5日、同国中部のマンダレー国際空港でタイの首都バンコクに向かおうとしていたところ、逮捕された。
同国北部のカチン州は、人口の9割が仏教徒とされる同国で、キリスト教徒が多数派を占める珍しい地域。カチン族が多く居住しており、これまでもしばしば抑圧や迫害の標的となってきた。
国際人権団体「世界キリスト教連帯」(CSW、英語)は、サムソン牧師の逮捕について、「深く心を痛めている」として、即時釈放を呼びかけている。CSWの東アジア担当シニアアナリストであるベネディクト・ロジャーズ氏は、次のように述べた。
「CSWは、このような著名で国際的にも尊敬されているミャンマーの宗教指導者が逮捕されたことに深く心を痛めており、彼の無事を非常に心配しています」
CSWはサムソン牧師について、「ミャンマーで最も著名で率直なキリスト教の宗教指導者の一人」であり、「勇気ある人権擁護者」と紹介している。
サムソン牧師はKBCで、2018年から今年まで会長を、その前の8年間は総主事を務めてきた。18年には、ロンドン訪問時に英国の国会議員や政府高官と会談。翌19年には、ホワイトハウスでドナルド・トランプ米大統領(当時)とも会談している。
ロジャーズ氏は、次のように付け加えた。
「われわれは、ミャンマー当局にサムソン牧師の即時釈放を求め、国際社会が彼の無条件の釈放と身柄の保障を要求することを強く求めます」