国際福音主義神学教育協議会(ICETE)の第18回世界大会(C-22)が、11月14日から18日まで、トルコ西部のイズミルで開催された。「正規および非正規の神学教育:対話を超えて」をテーマに、80カ国以上、221の神学教育機関から約500人が参加した。
ICETEは、40年以上前に世界福音同盟(WEA)から生まれた組織。福音主義に立つ神学教育機関の世界的なハブ組織として発展し、現在もWEAの国際神学部門の一翼を担っている。
第18回世界大会は、教会指導者の育成を巡って存在してきた「歴史的な溝」を埋めることを目的に、正規・非正規の神学教育機関が数カ月にわたって行ってきた対話を基礎に、プログラムが進められた。WEAの報告(英語)によると、教会指導者育成に対するニーズは指数関数的に増加しており、互いの協力なしにはそうしたニーズに応えられないという認識が、この5日間にわたるプログラムを通して強まったという。
大会は、▽非正規神学教育の品質保証、▽神学教育におけるテクノロジー活用、▽オンラインの利用、▽教会指導者の育成における正規・非正規神学教育の協力、▽正規・非正規神学教育の霊性の形成に対する評価と支援、▽次世代への準備――という6つのトラックに分かれた議論を中心に、プログラムが進められた。
ICETEのマイケル・オルティーズ国際事務局長は、大会を終え次のように語った。
「私たちは大会初日の夜、相互性を持ち、理屈やエゴを捨て、互いに仕え合い、内向きの姿勢から外向きの姿勢になることを語る大会テーマを打ち出しましたが、私は、これは主によるものだと信じています。参加者たちは、神学教育の未来の物語を描くというビジョンを抱きました。その物語とは、教会を力づけることを究極の目的とし、対話から、分野の垣根を超えた行動へ、協力の中で進んでいくというものです」
大会にビデオメッセージを寄せたWEAのトーマス・シルマッハー総主事は、次のように語った。
「教会指導者の未来は教会の未来であり、私たちが今日、新しい指導者の教育、訓練、成熟のために投資したものが、10年後、20年後の教会を形成するのです。ですから、このICETEの大会は、私たち自身の未来を表しているのです」
大会には、正規の神学教育を受けていない牧師らを支援する南アフリカの「リフォーマ」、教会を基盤とした指導者訓練組織のネットワークである「インクリース」、世界各地で爆発的に成長する教会のニーズに応えるために年間100万人の「収穫の働き手」を育成することを目指している「ガリラヤ・ムーブメント」など、さまざまな団体の代表者らが参加した。
参加者らは、正規と非正規の神学教育が、それぞれ独自の役割を担っていることを強調しながらも、対話と協力の機会を歓迎した。その上で、神学教育機関にとって最も重要なことは、教会の草の根のニーズに応え、教会が個々の状況や文脈に対応するための準備をさせることにあるとした。