2024年度上期発行予定の新紙幣に肖像が使用されることが決まっている渋沢栄一、津田梅子、北里柴三郎の3者ゆかりの諸団体が参加するイベント「紙幣の顔になる偉人たち」が、12月5日(月)から7日(水)まで、KITTE丸の内(東京都千代田区丸の内2-7-2)の地下1階、東京シティアイ・パフォーマンスゾーンで行われる。
3人のうち、津田塾大学の創設者である津田梅子(1864~1929)は、日本最初の女子留学生の1人で、留学先の米国で洗礼を受けたクリスチャン。津田の肖像は、新5千円札に使用される。
これまで5千円札に肖像が使用されてきたのは、聖徳太子(1957年発行開始)、新渡戸稲造(84年同)、そして現在流通している樋口一葉(2004年同)の3人。このうち、『武士道』の著者で、国際連盟事務次長、東京女子大学初代学長などを務めた新渡戸も、クリスチャン(クエーカー)として知られている。
新1万円札に肖像が使用される渋沢は、「日本の資本主義の父」と呼ばれる実業家。91年間の生涯で約500の企業の設立や経営に携わった。民間外交にも尽力し、その中にはキリスト教関係のものも多く、救世軍のウィリアム・ブース大将来日時の歓迎会発起人や、東京で開かれた世界日曜学校大会の後援会副会長などを務めた。
新千円札の北里は、「日本の近代医学の父」と呼ばれる細菌学者。東京大学医科学研究所や北里研究所の創設者で、慶応義塾大学部医学科(現同大医学部)初代医学科学長、同大病院初代病院長、日本医師会初代会長などを務めた。
イベントでは、渋沢、津田、北里の3者を紹介するパネル展示のほか、オリジナルグッズや土産品の販売を行う。3者ゆかりの諸団体が一カ所に集まるイベントの実施は、新紙幣の肖像決定以降、初めてだという。
参加団体は、津田塾大学、埼玉県深谷市、東京都北区、大分県中津市、東京北区観光協会、 国立印刷局、北里研究所、深谷市内郵便局。
主な出展内容は以下の通り。
<津田塾大学>
創立120周年を迎えた津田塾大学の紹介、津田梅子資料室が主催する2022年度企画展示の案内、津田塾大学生協による大学関連グッズの販売
<埼玉県深谷市>
渋沢と深谷市との関わり、旧渋沢邸「中の家」など、市内に残る関連史跡などの紹介パネルの展示、深谷市の特産品や渋沢関連商品の販売
<北里研究所>
北里と北里大学未来工学部(来年4月設置)に関するパネル展示、パンフレット配布
開催日時は、5日(月)は正午から午後7時まで、6日(火)と7日(水)は午前10時から午後7時まで。開催場所の東京シティアイ・パフォーマンスゾーンは、JR東京駅丸の内南口から徒歩約1分。