西アフリカの内陸にあるイスラム教国のマリは、2012年以降、3回の軍事クーデターが発生し、近年大きな動乱を経験している。12年の北部ムスリムとトゥアレグ族の反乱は、この地域のほとんどのキリスト者を含む50万もの人々を、南部や他国へ避難させることを余儀なくした。
13年の選挙は、新政府を選出し安定をもたらしたが、結局それは一時的なものでしかなかった。束の間の安定の後、20年と21年に相次いでクーデターが発生し、マリの政治的脆弱(ぜいじゃく)性があらわになったのだ。
また、遊牧民のフラニ族と農耕民族のドゴン族、バンバラ族との紛争も続いている。両者の間には以前から緊張関係があったが、武装した民族民兵による殺人事件にまでエスカレートしてしまった。
マリの教会の伝道と奉仕が実り、暴力で疲弊し切ったこの地に、主の救いと平和がもたらされるよう祈っていただきたい。
■ マリの宗教人口
イスラム 87・4%
プロテスタント 0・7%
カトリック 1・9%
土着宗教 9・9%