ドイツのハンブルクに住むクルド人難民のアミンは、都市封鎖にもかかわらず、効果的な伝道成果を上げた。彼は神に「主よ、福音を伝えるためにはどうすればいいのですか。都市封鎖のため外出できません」と祈っていた。そして、その答えはすぐにきた。
イラク北部に住むクルド人は、伝統的にヤジディ教徒が多く、そのヤジディの友人の一人からアミンに電話がきたのだ。その友人は、自分たちが悪霊にさいなまれていることを話した。黒魔術はヤジディ文化の一部で、多くの人が悪霊と関わっており、悪霊に悩まされている者が少なくないのだ。またISIS(イスラム国)が勢いづいていた時代からヤジディは迫害を受けていたが、彼らの残虐な暴力によってトラウマを負う者も多かった。
アミンは電話で友人の解放のために祈った。その時、彼はアミンに促されて主イエスを受け入れ、信仰告白をしたのだ。その後、彼は信者になって日の浅い間「毎日神様とつながっていないと、悪霊が戻ってきて、前よりひどくなる」と、悪霊の抵抗にあっていたことを明かした。そうこうするうちにこの友人は、別の友人とその2人の姉妹を誘い、ドイツとイラクを結ぶ遠隔での聖書の学びがスタートした。主はアミンの祈りに答えてくださったのだ。
聖書の学びは、遠隔にもかかわらず、毎日3時間、4カ月も続いた。一緒に聖書を読み、学び、祈り、大学の友人にイエスを伝えるよう励まし合った。この間、断食もして、神の栄光が家から家へと、ヤジディの間に伝わるよう祈ることにした。
10日間、毎日1食を抜き、祈りに時間を費やした。この聖書の学びを終えて2、3カ月後、現地から喜びの反応が届くようになった。2人の姉妹は、ヤジディらに主イエスを伝えるため、家々を回った。この2人の伝道によって、新しい信者がどんどん増えていったのだ。
姉妹らは、自分が答えられない質問はアミンにつなぎ、共に聖書に答えを探した。その結果、この地域において活発な家の教会がスタートし、より多くのヤジディ教徒が主イエスを信じるようになった。この家の教会では幾つかのチームが結成され、村や難民キャンプを訪問している。アミンは「どうか私たちと共に、この元ヤジディの教会が成長し続けるように祈ってください」と祷告している。
まさしく聖書にあるように、コロナ禍で都市封鎖が敷かれようとも「神の言葉はつながれていない」(2テモテ2:9)のだ。今でこそ都市封鎖は緩和されたが、外出が制限され、人々が自宅に閉じ込められていたときでさえも、神の言葉は決して閉じ込められず自由に働いたのである。
ドイツとイラクを結ぶ彼らの伝道がさらに実を結び、この地のリバイバルにつながるよう祈っていただきたい。
■ イラクの宗教人口(内戦前統計)
イスラム 98・6%
プロテスタント 0・2%
カトリック 0・04%
正教会 0・3%