わたしは、だれも閉じることのできない門を、あなたの前に開いておいた。(黙示録3:8)
私たちの周りには、いつもできないということを考える人と、できるということを考える人、二種類の人がいます。すぐ「できません」と言う不可能主義者は、決して成功することはありません。どんなに多くのチャンスがあっても、「できない」という考えが、その門を閉じてしまうのです。しかし、「できる」と考える人はいつも可能主義者です。できると考える人は、いつも将来に目を向けます。過去ではありません。過去がいらないと言っているのではありません。過去は自動車のバックミラーのようです。必要なものなのです。しかし、それは前に進むためであって、後ろに向かって走るためではありません。多くの人がバックドライブをしています。前に向かって進む代わりに、過ぎ去ったかこの時のことを悔やみ、嘆き、ほじくり返すのみで、今、目の前にあるチャンスを逃してしまうのです。
こんな話があります。チャンス氏は前髪だけをもっているそうです。チャンスが向こうからやってきますよね。チャンスだと思ったら、その前髪をパッとつかまなければなりません。行き過ぎてから捕まえようとすると、後ろ髪がありませんので、スルっとすべって捕まえることができなくなるからです。それは真実ですね。だれの前にも祝福の扉は開かれているのです。
スタイレン・スタインという男の話を読みました。彼はハンセン氏病でした。目も全然見えません。一生出ることはない病院に入っていました。もし彼がそのままだったら、彼は埋もれ、朽ち果ててしまったことでしょう。彼はある日、「自分に残されたもので何ができるか」と考えたのです。
彼は考える力が残ってるのに気がつきました。そこで彼は本を書こうと思いました。彼は盲目という大きな障害、恐ろしい病気をかかえていました。その障害をチャンスに変えてみようと思ったのですね。そして、その障害を本にしようと決心しました。
白い杖をつきながら図書館へ行き、自分の部屋へたくさんの本を持って帰ってきました。そして、友達にどのようにしたら文章が書けるか、ベストセラーが書けるかという本を読んでもらいました。彼は今度はテープレコーダーを手に入れ、自分の思いを吹き込んだのです。その次に、その声を活字にしてくれる人を探しました。彼がそのようにして書いた『もう一人ではない』という本はとてもよく読まれ、ベストセラーになりました。彼は言いました。「私は失ったものを嘆き悲しむのではなく、私に残されているものでこのことができたのです」と。
あなたの前にも、今日二つの道があります。一つは「できない」とあきらめる、失敗者の道です。もう一つは、神様を信じて、「どんな不可能も可能になる」と信じる成功者の道です。
今日、イエス・キリストをあなたの救い主として受け入れてください。あなたの人生は大きく変わります。どんな不可能の中にも可能性を見出して進んでいく、すばらしい人生となります。
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榮義之(さかえ・よしゆき)
1941年鹿児島県西之表市(種子島)生まれ。生駒聖書学院院長。現在、35年以上続いている朝日放送のラジオ番組「希望の声」(1008khz、毎週水曜日朝4:35放送)、8つの教会の主任牧師、アフリカ・ケニアでの孤児支援など幅広い宣教活動を展開している。
このコラムで紹介する著書『希望の声』(マルコーシュ・パブリケーション)は、同師がラジオ番組「希望の声」で伝えたメッセージをまとめた珠玉のメッセージ集。放送開始25年を迎えた98年に、過去25年間伝え続けたメッセージの中から厳選した38編を紹介している。