世界教会協議会(WCC)の第11回総会が8月31日、ドイツ南部の都市カールスルーエで開幕した。2013年に韓国・釜山で開かれた第10回総会以来、9年ぶりの開催。WCCに加盟する352教団のうち295教団から代表者が参加し、9月8日までさまざまな議題について話し合い、今後のWCC全体の方針を決定する。
総会はWCCの最高議決機関とされ、通常は8年に1度開催される。当初は昨年の開催予定だったが、新型コロナウイルスの影響で1年延期された。総会テーマは「キリストの愛は世界を和解と一致に導く」。
WCC中央委員会のアグネス・アブオム議長は総会初日、新たにWCCに加盟した7教団を歓迎。WCC(英語)によると、2016年から22年の間に、アフリカの5カ国から6教団、インドから1教団が加盟した。アブオム氏はまた、総会にはウクライナからも11人の特別ゲストが参加していることを明かした。
総会(英語)には、加盟教団やエキュメニカルな協力関係にある諸団体などから4千人以上が参加する見込み。ドイツとスイスの複数のプロテスタント教会とドイツ・キリスト教会協議会(ACK)が、WCCを共同招待する形で開催される。
WCCは第2次世界大戦後の1948年、オランダ・アムステルダムで第1回総会を開催して設立された。欧州で総会が開催されるのは、第1回総会と、スウェーデン・ウプサラで1968年に開かれた第4回総会以来で、54年ぶり3回目。
総会初日には、ドイツのフランクワルター・シュタインマイヤー大統領が基調講演(英語)を行い、参加者を歓迎。ドイツで総会が開催されることに感謝を示すとともに、戦後間もない時期に開催された第1回総会にドイツの教会が参加を許され、対等な立場で加盟が認められたことを回想し、「今日に至るまで、私たちはこのことに感謝しています」と述べた。また、総会は「信仰、相互作用、交流の祭典」となることを目指すものだとし、実りある総会となるよう成功を祈った。
WCCのイオアン・サウカ総幹事代行は総会初日、気候変動や新型コロナウイルス、ロシアによるウクライナ侵攻のほか、世界が直面するさまざまな課題についての報告(英語)を共有。「この時代の困難に対応する上で、私たちは互いを必要としており、互いに依存した存在であり、分裂ではなく共に歩むときにこそ、前進できるのです」と語った。
また、エキュメニカルな関係の必要性を強調。「私は、WCCが、交わりと連帯の基本的な表現として、諸教会を巻き込み、その共通の証しを増幅するための不可欠な手段であり続けることを、これまで以上に確信しています」と述べ、WCCの果たす役割の重要性を語った。
総会の模様は、WCCのホームページ(英語)でライブ配信される。