【CJC=東京】ロシア正教会の第16代総主教に選ばれたスモレンスクとカリーニングラードのキリル府主教(62)の就任式が2月1日、モスクワの救世主ハリストス(キリスト)大聖堂で行われた。
聖職者らがギリシャ語で「アクシオス」(ふさわしいの意味)を3回唱え、就任を祝福した。式には、東方正教会の各教会代表者のほか、バチカン(ローマ教皇庁)代表やロシアのドミトリー・メドベージェフ大統領、ウラジーミル・プーチン首相ら政府要人など約4000人が参列した。
ロシア正教会は旧ソ連時代には弾圧・抑圧されてきた。今回の総主教の就任は1991年のソ連崩壊後初で、政府首脳の列席は、同教会と政府との関係が大きく変化したことを示している。
キリル氏は、教会は社会で積極的な役割を果たすべきという姿勢で率直な発言を繰り返して来た。強硬な保守派とされ、ロシア政府にとって頭痛の種になる可能性もある。ただ深刻化している経済問題では強調路線をとるものと期待されている。
AFP通信によると、ロシア科学アカデミーの宗教問題専門家、セルゲイ・フィラトフ氏は、「主教の中で、彼は唯一の本物の政治家だ。わたしが大統領だったら彼のような人物はこわくてしょうがない」と語っている。