日本カトリック司教協議会は、日本で生まれ育ちながらも強制送還の危機にある外国ルーツの子どもたちのために、日本政府に対して在留特別許可を求める署名活動をオンラインで開始した。
司教らは3月、強制送還の危機にある外国ルーツの子どもたちが300人近くいるとし、子どもたちとその家族に人道的観点から在留特別許可を与えるよう求める要望書を古川禎久(よしひさ)法相宛てに送付していた。
要望書は、「在留資格のない両親のもとに生まれ育った子どもや、幼少期に来日し日本で成長した子どもにとって、日本は故郷であり、日本語が母語であって、他に帰る場所などありません」と強調。こうした子どもたちを生活基盤のない国外へ送還したり、親子を引き離したりする行為が、「子どもの権利条約」に違反する可能性を指摘している。その上で、「なぜ、日本で生まれ育った子どもたちが、このように苦しまなくてはいけないのでしょうか。私たちの国はこれほど非人道的な国なのでしょうか」と訴え、在留特別許可を与えるよう求めている。
目標の署名者数は2500人。公開から1週間たった8日午後6時現在で、すでに1900人を超える人々が署名している。
カトリック中央協議会のホームページ内に設置された特集ページには、司教からの動画メッセージのほか、関連するカトリック新聞の記事や映画の情報などが掲載されている。期間中は随時内容を更新していくという。
日本カトリック司教協議会会長の菊地功東京大司教は動画メッセージで、「日本で生まれ育ち、国籍が違うというだけで一緒に住むことができない子どもたちを何とか救いたい、一緒に生活をしていきたい、共に歩んでいく社会でありたい」と述べ、「一人でも多くの方のご協力をお願いいたします」と呼びかけている。