米国のバプテスト派教会牧師で黒人の公民権運動を指導したマーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師が誕生して15日で80年目を迎えた。19日にはキング牧師の誕生記念日を迎え、オバマ次期米大統領はキング牧師を称える声明を発表。また前日の18日「キング・サンデー」では、米国の黒人教会でキング牧師を偲ぶとともに、20日に米国史上初となる黒人大統領として就任するオバマ氏を歓迎するメッセージが伝えられた。
18日、米国の多くの黒人教会では、黒人解放運動のテーマソングともいうべき「We shall overcome(勝利を我等に)」が歌われ、いつになく喜びに満ちた雰囲気で礼拝が行われた。説教者は、オバマ氏の大統領選での勝利が、キング牧師の「夢」に向けた記念すべき一歩だと称えるメッセージを伝えた。
1968年にキング牧師が暗殺されるまで幾度となくキング牧師自らが説教を行ったジョージア州アトランタのエベニーザー・バプテスト教会では、ラファエル・ウォーノック牧師が「(オバマ氏の就任式が行われる)火曜日を期待して待ちつつ、主に賛美をささげよう」「我々すべての人は、我々が主張した本当の我々の姿により近づくことができたこの朝を祝う義務があるのだ」と力強く語った。
米CNNの世論調査によれば、オバマ大統領の誕生でキング牧師の夢が実現したと考える黒人層は69%に達した。これは、昨年3月の時点の調査に比べて倍化しており、20日の大統領就任を前にして、オバマ氏に対する期待が一層高まっている。