米カリフォルニア州に拠点を置く大衆伝道者グレッグ・ローリー氏による大規模伝道集会「ハーベスト・クルセード」が4月23、24の両日、アイダホ州ボイシのエクストラマイルアリーナで開催された。会場には2日間で2万1千人以上が詰め掛け、14万4千人以上がオンラインで参加。ローリー氏の招きに3千人以上が応じ、自身の人生をキリストにささげることを誓った。
ボイシの集会は当初、2020年に予定されていた。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大のために延期され、2年越しで開催が実現した。集会には、地元の100以上の教会や周辺地域の教会が関わり、3年以上にわたって協力し計画を進めてきた。
ローリー氏はクリスチャンポストの取材に対し、ボイシで集会が開催されるか不安視する人もいたことを明かした。
「このイベントは2年以上延期されていたため、これまでとは違いました。私たちは準備万端だったのですが、新型コロナウイルスが流行し、どんどん延期され、おそらくアイダホ州の一部の人々は、私たちが来ることをまったく確信していなかったでしょう」
「しかし、私たちは約束したのです。私は、彼らが100以上の教会と協力し、求め続け、祈り続け、全力で取り組むのを目の当たりにしたのです。だから、私たちが行って、やらなければならないと思ったのです。そして、この30年余りの歴史の中で、間違いなく最高のクルセードの一つとなったのです」
ハーベスト・クルセードは1990年に始まって以来、米国だけでなく、カナダやニュージーランド、オーストラリアでも開催されている。参加者は累計650万人に上り、これまでに60万人がこの伝道集会を通してキリストに対する信仰を告白したとされている。
2012年には、「ハーベスト・アメリカ」と銘打つ全米同時放送のイベントとして拡大され、全米の教会や映画館、各家庭のリビングルームに集会の模様が放送されるようになった。
しかし20年は、新型コロナウイルスの感染拡大により、対面での集会は30年の歴史で初めて中止となり、オンラインのみでの開催となった。21年は、カリフォルニア州アナハイムのエンゼルスタジアムを会場に対面式の集会を開催したものの、1日限りのイベントにとどまった。
同州リバーサイドに拠点を置くメガチャーチ「ハーベスト・クリスチャン・フェローシップ」の主任牧師でもあるローリー氏は、長期間にわたって活動が制限されたことを、旧約聖書の預言者エリヤの物語になぞらえた。
エリヤは「アハブ王の宮廷に大胆に入り、神の代弁者として語る」よう神に召されたが、「主はエリヤに基本的にはただ待つようにと言われたのです」とローリー氏。「神が待つように言われるとき、私たちには意味がないように思えることもあります。しかし聖書には、神はすべてのものをご自分の時に美しくされると書かれています」と伝えた。
新型コロナウイルスが流行した20年は、対面式のクルセードから「映画型のクルセード」に移行する時期だったという。ハーベスト・クルセードは、それまでのライブイベントで学んだすべてを、スマートフォンやテレビ画面で見られるものへと落とし込んだ。
また、「ハーベスト・アット・ホーム」というオンラインサービスを立ち上げた。視聴者は初め、1万人程度だったが、新型コロナウイルスの感染状況の悪化とともに、約20万へと爆発的に増加した。
「ローマの信徒への手紙の『万事が益となるように共に働く』という箇所を思い起こさせてくれました」とローリー氏は言う。
ボイシの集会では、ジェレミー・キャンプやクリス・トムリン、ジョーダン・フェリス、アンディ・ミネオら、著名なクリスチャンアーティストが演奏を披露した。ローリー氏は、魂を満たすために必要なこと、恐れや未知の問題に対するキリストの解決方法の2つについてメッセージを伝えた。
「人生の意味とは何でしょうか。天国の神様があなたを愛し、あなたの人生に計画をお持ちだと知ることです。なぜあなたはこの地上にいるのでしょうか。この世とあの世に対する希望を持ちながら、友として、親しい関係性の中で神様と共に歩むためです」
ローリー氏はまた、キリスト教に疑いを持つ人たちにも語り掛けた。
「どんな罪を犯したとしても、神様はあなたを赦(ゆる)してくださいます。もしかしたら、あなたは今夜、クリスチャンをばかにするためにここに来たかもしれません。もしかしたら、信じる人と議論するためにわざわざ来たのかもしれません。私も以前はそうでした。クリスチャンになるつもりもなかったのに、なってしまったのです」
そして、17歳の時にイエスを知り、人生が永遠に変わったという自身の証しを語った。
各集会の終わりには、ハーベスト・ワーシップ・バンドの演奏に合わせて、ローリー氏が参加者に公の場で信仰を告白するよう呼び掛けた。すると、何千人もの人々が席から立ち上がり、ステージに向かって自身の人生をキリストにささげることを誓った。地元の牧師やボランティアたちは、こうした人々を迎え入れ、祈りの中で彼らを導き、地元の教会に招待することができた。2日目は会場が満席になったため、カウンセラーたちが3階席まで登って、2500冊以上の聖書を配る必要があったとローリー氏は語った。
ボイシの集会が成功裏に終わったことから、今後、全米で同様の集会を開催することを検討していくという。ローリー氏は集会を振り返りつつ、「参加者は、すべてに美しく応答してくれました。それは、ただ温かく記憶に残る体験でした。そして、またいつかそこに行くことを楽しみにしています」と語った。