【CJC=東京】教皇ベネディクト十六世は1月8日、各国の在バチカン(ローマ教皇庁)大使らと新年の挨拶を交した。
バチカンと正式外交を結ぶ178カ国および欧州連合、マルタ騎士団、さらに特別外交関係にあるロシア連邦、パレスチナ解放機構、そして国連各組織等の代表が出席した。
バチカン放送(日本語電子版)によると、教皇は「多くの努力にも関わらず、望まれる平和はまだ遠い」と述べ、平和の文化を構築し、安全と発展を推進する努力を決して諦めてはならないと強調した。
世界の情勢を展望して、教皇はまず中東に目を向け、中でも市民に計り知れない苦しみを与えている聖地での闘争に、武力ではなく和平への努力を訴えた。このほか、教皇はイスラエルとシリア間の対話、レバノンの国内一致の推進の必要を述べたほか、イラクに民族・宗教の違いを乗り越えた未来の構築、イランの核問題の交渉による解決を願った。
またフィリピン・ミンダナオ島の和平交渉再開や、北京と台北の新しい関係構築など未来に信頼を寄せ、スリランカの闘争にも最終的な解決を希望した。
教皇はアジアのキリスト教共同体について、数の面からは少数派であるが、それぞれの国の共通善や安定、発展のために信念を持って効果的な貢献をし、健全な倫理秩序もたらす神の重要さを証していると述べ、それを雄弁に語るものとして、最近日本で行なわれた188人殉教者列福式に言及した。