ウクライナの隣国ポーランドでは、戦火を逃れてきたウクライナ人難民のために、教会が会堂をシェルターとして開放し、支援の手を広げている。
52カ国の教会組織が加盟する「欧州バプテスト連盟」(EBF)のアラン・ドナルドソン総主事は先週、ポーランドの教会を訪れ、隣国の戦争に対応する姿を目の当たりにした。
EBFのウェブサイトに掲載された最新情報(英語)でドナルドソン総主事は、「ポーランドでは、この戦争の気配を感じます」と述べ、ウクライナと国境を接する隣国の緊張感を語っている。しかし一方で、訪れた南東部の都市ヘウムにあるバプテスト教会は、暴力から逃れてきた母子を迎え入れ、「命に満ちあふれている」という。
「建物に入ったときに感じるのは緊張ではなく、命、平和、そして喜びです。子どもたちは笑いながら遊び、母親たちは旅立ちの準備をしています。教会のピアノは、子どもたちがレッスンをしている間、賛美歌以外のさまざまな曲を奏でています」
会堂内では会衆席が前方に移され、講壇やバルコニーなど「利用可能なあらゆる場所」にベッドを置くスペースが確保されている。また、故郷から長く困難な旅をしてきた難民たちが洗濯できるよう、新たに3台の洗濯機を設置した。新しい衣類やおもちゃが寄付として送られてきており、地元のホテルは新しいリネンを提供してくれている。
ドナルドソン総主事は、「1日に400人が利用するこの難民センターが、元は『このスペースで何をしたらいいのか』と悩む教会だったとは信じ難いことです。牧師が言うように、『教会にこれほど活気があるのは初めてのこと』なのです」と語った。
利用者の多くは、欧州の他の地域へ行く途中の人々だ。教会の牧師は、車を持たない人たちのために、交通手段や車に乗せてもらうための手配を手伝っている。
ドナルドソン総主事は、戦争が避難してきた人たちに与えている精神的な打撃についても語っている。
「今なお、部屋の隅で深く宙を見つめる顔をたびたび見掛けます。不安と恐怖に心を奪われているのです」
「彼らの元に教会員が近づいていき、しばらく立ち止まって熱心に耳を傾け、優しく問い掛け、静かに祝福する。それで彼らの忙しさがなくなるわけではありませんが、その空間にはプライバシーと親密さと深い感動があります。その瞬間における福音のメッセージとは、多くの人がいる中であなたに関心が注がれている、というシンプルなものです」
「良き知らせとは、耳を傾けられており、共に祈られており、理解されているということであり、群衆の中で癒やしを必要としている女性からの優しい接触を感じてくださる方の臨在を経験することなのです」