国際ホロコースト記念日の1月27日に合わせ、キリスト教会の指導者らが、ナチス・ドイツの手によって命を落とした何百万人ものユダヤ人を追悼した。
1月27日は、1945年にホロコーストの象徴とされたアウシュビッツ強制収容所が解放された日で、2005年に国連総会で国際ホロコースト記念日として制定された。
カトリック教会のローマ教皇フランシスコは前日26日、一般謁見でホロコーストに言及。ユダヤ人を「平和に値する」「苦しむ人々」だと呼び、ナチスの手による「何百万人ものユダヤ人、さまざまな国籍や宗教の人々の絶滅政策」を、世界は決して忘れてはならないと強調。「この言いようのない残虐な行為を決して繰り返してはなりません」と訴えた。
2016年にアウシュビッツ強制収容所跡地を訪問している教皇は、ホロコーストを「人類の歴史に記された暗いページ」だとし、その恐ろしさを若い世代に教育することが特に重要だと指摘。「決して忘れてはなりません。そうすれば、人間の尊厳が二度と踏みにじられることのない未来を築くことができるでしょう」と述べた。
ホロコーストでは、欧州にいたユダヤ人約600万人が殺害され、アウシュビッツ強制収容所で殺害された110万人の多くがユダヤ人だったとされている。
英国国教会(聖公会)のカンタベリー大主教ジャスティン・ウェルビーも27日、自身のツイッター(英語)に、ナチスによる大量虐殺と「その後のすべての大量虐殺」で殺害された人々を追悼するコメントを投稿。アイデンティティーや信仰を理由とする迫害に立ち向かうよう呼び掛け、「憎しみが、一人一人を尊い存在だとする神の愛に取って代わられますように」と祈った。