韓国の文化体育観光省が、カトリックソウル大司教区や韓国キリスト教教会協議会(NCCK)、韓国教会総連合(UCCK)、音楽配信サービス業者と協力して、クリスマスキャロル促進を目的としたキャンペーンを行うため、10億ウォン(約9500万円)の予算を計上したことを受け、国内の仏教団体から強い反発の声が上がっている。
韓国の英字紙「コリアタイムス」(英語)によると、キャンペーンは、カフェやレストラン、小売店など、人が集まる場所でクリスマスキャロルがより多く流れるように促進するもの。同国の著作権法では、一定の売り場面積を有する一部の業種で音楽を流す場合、一定の使用料が発生し、さらに音楽配信サービスの料金値上げも続いているという。そのため、近年は公共の場からクリスマスキャロルが姿を消し、「クリスマスがクリスマスらしくなくなった」という声が聞かれるようになっていたという。
しかし、政府予算が投じられることに対し、韓国最大の仏教宗派である大韓仏教曹渓宗は1日、文化体育観光省が「キリスト教の布教事業を主導している」と批判する声明を発表。2日には、韓国仏教宗団協議会がキャンペーンへの政府予算使用差し止めを求める訴訟を起こした。こうした動きに対し同省は、「特定の宗教を支持しているわけではない」と強調しているという。