イスラエル軍が3日夜にパレスチナ自治区ガザへの地上侵攻を進め、5日もガザ中心部でイスラム原理主義組織ハマスとの銃撃戦が続くガザの状況を受け、キリスト教の諸団体はガザの民間人、特にガザの人口の半数以上を占める子どもたちへの攻撃を即時停止するよう要求し、一連の戦闘を非難する声を高めている。
国際的なキリスト教支援団体ワールド・ビジョン・インターナショナルは声明で、「このような状況下で最も被害を受けているのは、子どもやそのほかの民間人など最も弱い立場にある人々だ」と指摘。「停戦の崩壊により、ガザや南イスラエルの数え切れない子どもたちが恐怖の中にいる」と語った。
また、ワールド・ビジョン・イスラエルのアドボカシー・マネージャーであるアリン・ディネス氏は、「我々はハマスによるイスラエル市民に対するロケット弾攻撃を徹底的に非難する」「また同時に、無関係な一般市民を殺傷するイスラエルによる圧倒的な軍事攻撃も正当化できない」とイスラエル、ハマスの両者を非難した。
一方、米国に拠点を置く迫害監視団体「オープン・ドアーズ」代表のカール・メラー氏は、「(ガザの)キリスト教徒はハマスではない。彼らはイスラエル人でもなく、またユダヤ教徒でも、イスラム教徒でもない。彼らはキリスト教徒だ」と述べ、ハマスへの攻撃により、ハマスとは関係ないガザのキリスト教徒が被害を受けていることを訴えた。
メラー氏は、ハマスのイスラエルに対するロケット弾攻撃が今回の戦闘を引き起こしたとしつつも、それに対するガザへの報復攻撃の規模が度を越え過ぎたものだと指摘。「武器を持たない、あまりにも多くの女性や子どもたちが殺されている」「これを、イスラエルが受けたロケット攻撃に対する単なる報復とは見なせない」と語った。
メラー氏によれば、ガザ市にある警察署が爆撃された際、通りを挟んで反対側にあったガザ・バプテスト教会では、爆風で窓ガラスすべてが割れるなど大きな被害が出ているという。