通貨ウォンの急落など、97年のアジア通貨危機を思わせる経済危機に直面している韓国で、慈善団体などに対する寄付金が増加しているという。救世軍が年末に行う慈善事業「社会鍋」では08年は、過去最高だった07年を14%上回り記録を更新、キリスト教支援団体の「グッドネーバーズ」への寄付も30%増加したという。
韓国紙「朝鮮日報」によれば、韓国の昨年7〜9月期における1人当りの国民総所得(GNI)の伸びはマイナスであったが、同紙が報じた慈善団体に寄せられた寄付金は10〜30%増加。特に個人レベルでの寄付が増えたという。高麗大の玄宅洙(ヒョン・テクス)教授(社会学)は同紙に対して、「困難なときに家族と地域共同体を求める韓国式の『拡大家族主義』の伝統が寄付に反映している」と分析している。
一方、寄付の仕方にも変化が見られるという。クレジットカードや、バスや地下鉄などの公共交通カード、またはインターネットを通しての寄付など最近のIT技術を利用した新しい形態のものが増えているようだ。