米バージニア州ウィリアムズバーグで、米国で最も古い黒人教会の一つとされる教会の最初の会堂跡が発見された。
コロニアル・ウィリアムズバーグ財団の研究者らは7日、今年創立245周年を迎えた第一バプテスト教会がかつてあった場所を1年以上かけて発掘した結果、同教会の会堂として建てられた最初の建物の遺物を発見したと発表した。
同財団の考古学責任者であるジャック・ゲイリー氏はクリスチャンポストに、研究者らが夏の間に建物に関する証拠資料を集め、発見した遺物の確認作業を行ったと語った。
「文書記録によると、1818年には私たちが発掘している場所に教会があったとされています。その文書は、バプテスト集会所に関するものです。私たちの発掘調査では、小さな建物のレンガの土台が発見されました」
「この土台の下や周辺からは1817年のコインなども出土しており、この建物は19世紀の第1四半期に建築されたものと考えられます。これは、文書記録でここにバプテスト集会所が建っていたとされる時期と同じです」
発掘現場では人骨も発見されており、研究者らは今後も発掘を続け、この土地に何体の遺骨が埋葬されているかも確かめる計画。また、教会周辺の景観に関する調査も行っている。
「このプロジェクトは、最初から地域参加型のプロジェクトでした」とゲーリー氏は言う。「この教会で礼拝していた人々の子孫がまだこの地におり、第一バプテスト教会自体もまだ存続していることから、私たちはこの地域と彼らの歴史を直接結び付ける機会を得たのです」
第一バプテスト教会は1776年、ウィリアムズバーグからほど近いグリーンスプリング農園で、奴隷や元奴隷の黒人たちが密かに礼拝を行っていた集会が起源となっている。当時は、黒人たちが集会を開くことは法律で禁止されていた。
1781年には、奴隷のゴワン・パンフレットさんが中心となって、近くの田舎町ラクーンチェイスで教会が正式に組織された。それから間もなくして、ある白人の家族が、黒人の礼拝者たちに馬車小屋を集会に使うことを許可した。
今回遺物が発見された教会の建物は1818年に建築された後、1834年には竜巻の被害に遭い全壊する。その後、1856年に同じ場所にレンガ造りの新しい会堂が建てられた。そして、それから100年後の1956年に、現在の住所であるスコットランド通り727番地に移転した。
同教会のレジナルド・F・デイビス牧師は、「1776年に奴隷黒人と自由黒人が秘密裏に屋外に集まったことから始まったという、私たちの教会の初期の歴史は、常に私たちがコミュニティーとして存在するための一部となっています」と語った。
「このように、発掘された土台のレンガの実物や祖先が礼拝していた場所の輪郭を見ることで、その歴史に命を吹き込み、私たちのアイデンティティーの一部を具体化することができるのです。245年の時を経て、これが真に祝うべき理由です」
コロニアル・ウィリアムズバーグ財団のクリフ・フリート最高責任者(CEO)は、「国の形成期にここに住み、働き、礼拝した人々」の「より完全で包括的な物語」を伝えたいと話す。「この教会の歴史は、私たちの解釈や教育活動の最前線に立つべき物語であり、私たちはその物語に光を当てる役割を果たすことを光栄に思っています」