ローマ教皇フランシスコは29日、バチカン(ローマ教皇庁)で、米国のジョー・バイデン大統領、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領、インドのナレンドラ・モディ首相と会談する見込みだ。イタリア・ローマで30、31の両日、20カ国・地域首脳会議(G20サミット)が開催されるのに伴うもの。
ロイター通信によると、バイデン氏が教皇と直接会うのは大統領就任後初めてだが、今回は「私的な謁見」だという。気候変動や移民、所得格差などの諸問題について意見を交わすとされている。バイデン氏はカトリック信者だが、人工妊娠中絶を擁護する姿勢から、中絶に反対するカトリック教会内では批判の声もある。今回の会談で中絶に関する話し合いが行われるかは不明だという。
同じくカトリック信者の文氏は同日、バイデン氏に先だって教皇と会談する。韓国の聯合(れんごう)ニュースによると、朝鮮半島の平和プロセスを進展させるための方策について意見交換が行われる見通し。文氏は2018年にもバチカンを訪問しており、教皇はその際、正式な招待状が来れば、北朝鮮の訪問も可能だと伝えていた。
インドの英字日刊紙ヒンドゥスタン・タイムズ(英語)によると、G20サミットに参加するため28日夜にインドを出発するモディ氏も29日、バチカンで教皇と会談すると見られている。インド政府による正式な発表ではないが、インドの別の英字日刊紙フリー・プレス・ジャーナル(英語)も、モディ氏が教皇と会談する可能性は非常に高いと伝えている。