カトリック系の中高一貫校「札幌聖心女子学院」(札幌市中央区、齊藤隆浩校長)が2023年度以降、中学、高校ともに入学生の募集を停止し、25年3月で閉校することが決まった。長年大幅な定員割れが続き、生徒数の回復が見込めないことから運営継続が困難と判断したという。
同学院を運営する学校法人聖心女子学院(東京都渋谷区、宇野三恵子理事長)の発表によると、閉校は19日に開催された理事会・臨時評議員会で決まった。長年大幅な定員割れが続く中、さまざまな取り組みを模索してきたが、少子化や私立学校間競争の激化など、経営環境がさらに厳しくなることが予想される一方、生徒数の大幅な回復が見込めないことから、苦渋の決断に至ったという。
北海道放送(HBC)によると、現在の在校生は中高合わせ定員480人に対し163人。在校生に対しては「引き続き、本校が掲げる教育目標に基づく教育活動に全力を尽くす」としており、中学1、2年生と来年の新入生には、高校進学時に道内のカトリック系学校や道外の姉妹校への進学を勧めるとしている。
聖心女子学院は、1800年にフランスで創立されたカトリックの女子教育修道会「聖心会」が設立母体。日本では1908年に、オーストラリアから聖心会の修道女4人が来日し、国内最初の聖心女子学院を東京に開校した。札幌聖心女子学院は国内7校目として63年に中学校を開校、66年には高校も開校した。
聖心女子学院は現在、国内で大学など計6の学校と研究所や学習センター、農園を運営しているが、2018年には聖心女子専門学校(東京都渋谷区)を、20年には校外学習などを行う聖心丹沢学舎(神奈川県松田町)を閉鎖している。