金融危機に直面する米国で、教会へ経済的な影響が深刻化しつつある。米紙ウォールストリート・ジャーナルによれば、教会の中には金融危機による献金の減少で、今年9月には米証券大手リーマン・ブラザーズが申請した、日本の民事再生法に相当する連邦破産法第11条の適応を求めるケースが出てきているという。
同紙によれば、約2000の教会が加盟する福音派信用組合(カリフォルニア州)は今年、計7つの教会に対して資産差し押さえを行った。同組合で差し押さえがあったのは設立以来昨年までの45年間でたった2件だけだった。また、教会への献金は金融危機前に比べて15%も減少した地域があると言う。
一方で、1990年代にブームとなった「メガチャーチ化」に伴う多額の借金が教会の運営に大きくのしかかっていると指摘されている。米誌「アウトリーチ・マガジン」によれば、礼拝参加者数2000人を超える「メガチャーチ」は今年、昨年より約90教会増えて1300教会。礼拝参加者数上位100教会はすべて6000人を超える規模で、うち1万人を超える「ギガチャーチ」は36教会に上る。
礼拝参加者数4万7000人と米最大のレイクウッド教会(テキサス州)は現在、同州ヒューストン市にあるドームを同市と賃借契約を結んで使用しているが、30年間の賃料は1180万ドル(約10億6000万円)。ドームを教会として使用するための改築費は7500万ドル(67億5000万円)かかったとされている。また、同教会はテレビでも礼拝を放送するなどしており、テレビ伝道で年間3000万ドル(27億円)の費用が必要とされている。