国連が定める「世界食料デー」(10月16日)に合わせ、コロナ禍で悪化する世界の食料問題に思いを向けてもらおうと、飢餓対策に取り組むハンガーゼロ(日本国際飢餓対策機構)が10月から、オンラインを含む全国15会場で啓発イベントを開催する。
世界食料デーは、世界の食料問題を考える日として1981年に制定された。世界の人々が協力し合い、最も重要な基本的人権である「食料への権利」を現実のものにし、世界に広がる栄養不良や飢餓、極度の貧困を解決していくことを目的としている。
昨年に続くコロナ禍の影響で、ハンガーゼロの支援地はさらに深刻な状況に置かれている。雇用はさらに厳しくなり、職を失ったり収入が減少したりする上に、もともとある不衛生な環境や不安定な医療システムが重なり、飢餓人口はさらに増加する見通しだという。
今年は、対面またはオンラインで自由に参加できる14会場に加え、参加者を限定するなどして協力団体や教会など12カ所の小規模会場で関連集会を行う。さらに世界食料デー当日には、若手スタッフを中心に企画したオンラインイベントを公式ユーチューブチャンネルでライブ配信する。また、ユーチューブチャンネルでは10月から、講演や現地報告などの関連動画を公開。かわいいキャラクターが登場し、子どもも楽しめるクイズ動画も用意している。
昨年はコロナ禍の中、10月と11月を「世界食料デー月間」として募金への協力を呼び掛け、目標額の1500万円を上回る1978万円の寄付金が集まった。今年の目標額は2000万円。集まった寄付金は、コンゴ民主共和国やケニア、エチオピア、フィリピン、インドネシアなど11カ国での支援活動に充てる。また、カンボジア、ルワンダ、フィリピン、ボリビア、バングラデシュの5カ国で実施しているチャイルドサポーターへの参加も呼び掛ける。
各地で開催される大会の詳細は、ハンガーゼロニュース10月号を。