イスラエル軍による27日の空爆開始以来、死者298人にまで犠牲者が拡大しているパレスチナ自治区ガザの状況について、ローマ教皇ベネディクト16世は28日、「いかなる形態でも非難されるべき暴力を終わらせ、ガザ地区に停戦が回復するようわたしは請う」と、同地での暴力を非難し、停戦回復を求めた。AFP通信が伝えた。
イスラエル軍が27日、28日の両日、ガザを支配するイスラム原理主義組織ハマスの拠点に対して行った空爆は、1967年の第3次中東戦争後では最も激しいものとなり、28日夜から29日にかけておこなわれた空爆では計6人が死亡、死傷者は1000人以上に上っている。
ベネディクト16世は28日に行われた毎週恒例の祈りのなかで、「出口のない道に迷い込んだイスラエル人とパレスチナ人を救い、対立と暴力の誤った論理に屈服せず対話と交渉の道を進むためできる限りのことをするよう国際社会に訴えたい」(AFP)と語った。
ハマスとイスラエル間の衝突は、07年にハマスがガザを実効支配した以降も度々発生したが、ガザの人道状況悪化などにより今年6月からエジプトの仲介で半年間の停戦が成立した。しかし、11月以降イスラエルがガザに対し封鎖強化や攻撃を加え、ハマスもイスラエルに対してロケット弾攻撃を加えるなど、停戦違反行為が相次いだ。今月19日にはハマスが停戦終了を宣言し、両者間の緊張が激化、今回の事態にまで発展した。