10月に劇場公開されるゴスペルドキュメンタリー映画「歌と羊と羊飼い」が8月29日、日本最大級のゴスペルイベント「横濱ゴスペル祭2021」でプレミア上映された。上映後のトークイベントには、日本ゴスペル界のレジェンド・淡野保昌、ゴスペルシンガーの遠谷政史、本作製作総指揮の飯塚冬酒が登壇。日本ゴスペル界の現状をはじめ、淡野、遠谷の考えるゴスペルについて語った。
「歌と羊と羊飼い」は、日本で活動するゴスペルシンガーをはじめ、スペイン出身のゴスペルシンガー・MARISAや、本場米国の黒人教会で活動していたゴスペルシンガーで現在は牧師としても活動する Rev.Taisuke(臼井泰輔牧師)、ゴスペルに出会い変わっていく主婦、全国ゴスペルコンテストに挑戦する少女たちを捉え、歌と祈りと生きることを強く訴える。また、昨年8月に急逝したゴスペルシンガー・松谷麗王の貴重なインタビューや、サルーキ=の千代延大介らのインタビューも収録されている。
淡野は、急逝した松谷の場面が印象的だったとし、「天国からのメッセージでした」と語った。また、MARISAが歌うシーンでは自然と涙がこぼれたという。日本のゴスペル人口の8割以上がノンクリスチャンとされていることについては、米ニューオーリンズで出会った牧師とのエピソードを紹介しつつ、「歌う人がそれぞれ思いを持って歌い、歌って幸せになれるような歌だったらみんなゴスペルですよ」と語った。
トーク後半には、本作に出演する Rev.Taisuke とMARISAがサプライズ登壇。Rev.Taisuke は、本作に収録されている海での洗礼は日本では珍しいとし、「海の中の洗礼シーンをお届けできたことがうれしいです」と語った。MARISAは、「ゴスペルをやっている人たちにフォーカスをしていますが、ただ歌を追っているのではなく、それぞれのゴスペルに向かい合う姿をしっかり見せている、そんな映画だと思います」と語った。
「歌と羊と羊飼い」は、10月9日(土)から東京・渋谷のユーロスペースで劇場公開される。
■ 映画「歌と羊と羊飼い」予告編